第64回樽一会

歌舞伎町の名店「樽一」。
お酒を愛し、おいしいものが好き、人も大好き!
という樽一ファンが集います。
年3回行われる、樽一会。
100人を超える熱気の中で繰り広げられる饗宴です。
館山の地魚、豊後水道の特大岩かき、ナガス鯨舌ベーコン、三陸ほや、イイダコ煮、小鰺のいしる干し、ホタテの西京焼き、豚ロース紅茶塩窯焼き、水茄子、、と次々に登場です。

樽一は、もともと鯨の専門店ですが、全国のお酒が揃っていることでも知られます。
小泉武夫副会長をはじめ、燗酒普及会の木村新さんなど、日本酒を深く愛する通の方が一堂に集われ、参加者には、噺家の林家木久扇師匠、なんでも鑑定団でお馴染みの中島誠之助さんなど、多彩なメンバーです。

酒が酒を呼び、友が友を呼び、話の輪が広がります。
荒川合唱団の板垣さんや美貌の税理士遠山さんは、コンサートにも来てくださる長年のお友達ですが、板垣さんのお友達、歌声喫茶のマスター金指さんが下諏訪出身ということがわかり、御柱の話で盛り上がったり、なんでも鑑定団の中島先生が高田馬場時代に樽一があった頃からの長いおつきあいだったことがわかったり、賑やかで楽しいひとときでした。

この会での楽しみは、はるばる醸造元から、そのお酒を造っている社長さんが来てくださることです。
「浦霞」の佐浦さん、「くどき上手」の今井さん、「喜楽長」の喜多さん、「手取川」の吉田さんなど蒼々たる面々です。
それらのお酒をいただきながら造り手さんのお話を聞けるのは、幸せです。
この日のために、4種類ものお酒を用意してくださった滋賀県、喜多酒造の喜多さん。

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お嬢さまがピアノをされておられたそうで、たいそうな音楽好き。
「酒は残るけれど、音は消えていく」
「お酒だって飲んだら消えちゃうじゃありませんか」と返すと
「いや、飲んでも記憶に残るでしょう」
「それは、音だって同じです。心に残りますから」
「なるほど」
iPhone仲間ということがわかったのですが、すでにiPadまで使いこなしておられる様子。負けました・・・。

「伝統に生きる方がずいぶん最先端を行っているんですね」
「改革に次ぐ改革が伝統。いつまでも古いものだけに固執してたら進歩はないんだ」
「でも変わらないほうがいいものもあるでしょう?」
「そう!変わったほうがいいことと変わらないほうがいいことと両方ある」

酒造りは、いくつもの行程を経てひとつの味が作り出されますが、その行程のどれもが大切だそうです。
どの世界も基本は一緒、と感じた晩でした。

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