沼津倶楽部 「プレイエルの夕べ」

水面に映る緑の木々、月が出るころには、それが水に映ります。
沼津倶楽部のロビーは、最高のロケーション。

5時開演。静かに雨だれの前奏曲を弾き始めたとたん、沼津の市街に流れる時報が、大きな音で流れ始めました。
違う調性、異なる音のチャイムが流れる中で自分の音に集中?!
長く感じる1分間でした。

後半、ノクターンで始める頃、月も出始め、あたりが暗くなってきました。
まるでノクターンに合わせて夜の雰囲気になってきたのはいいのですが、鍵盤も真っ暗になってしまい、急遽ランプを持ってきていただきました。

はじめてコンサート会場となった沼津倶楽部。
ソファに座るお客様、間近で聞いてくださるお客様、それぞれ思い思いの場所で耳を傾けてくださいました。

サロンでの演奏を好んだショパン。
こまやかな息遣い、洒落た和声、デリカシーに満ちた表現は、パリのサロンの厳しい審美眼とお客様との近い距離感の中から生まれました。
サロンで弾きながら、それを実感するひとときでした。

終演後は、隣のリストランテ Via Sacra でイタリアンのフルコース。
シェフが張り切って考えてくださった「ショパン生誕200年記念コース」。
ショパンにちなんだお料理が並ぶ・・・ということで期待がふくらみます。

ショパンが好きだったという蕪の冷製スープ、ポーランドの郷土料理「ピエロギ」、ポトフ、サンドとショパンの思い出のひと品「鶏と海老のフリカッセ」、サンドのレシピどおりに再現されたという「レモンタルト」、そして最後は、ショパンが毎朝飲んでいたショコラで〆。

ショパン時代の音と味を再現、
シェフと私の共演?!の一日が終わりました。

お世話になりました皆様に、心から御礼申し上げます。

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