講座「ナンネル・モーツァルト ~天才の姉の旅路と人生~」

朝日カルチャー新宿でレクチャーコンサート。
今上映中の映画『ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路』に因んでの講座です。
モーツァルトとナンネルが交わした手紙を読みますと、ふたりは音楽を通じて心を通わせていたことが窺えます。姉弟の連弾は、各地で評判でしたし、モーツァルトは、自作の出来映えについてしばしば姉の意見を求めていました。
しかしナンネルは、天才モーツァルトを語るときに大勢登場する脇役のひとりに過ぎません。
今回の映画は、ナンネルが優れた作曲家としての才能を持ち、作品をつくるのですが、父レオポルトの意向もあり、その才能を封印したことがテーマになっています。
ひとつの仮説として興味深いと思い、映画のプログラムにも、小文を書かせていただきました。

公式プログラム・解説

講座では、レオポルトがナンネルのために編んだ「ナンネルの楽譜帳」、モーツァルトが姉のためにつくったと思われる即興性の高い小品、二人で演奏した連弾曲などを弾きました。
作曲家としての彼女は想像の世界かもしれませんが、ナンネルはまちがいなく優れたピアニストであったと思います。
そんなナンネルに想いを馳せ、当時の音楽事情や時代の空気を感じる1時間半でした。
連弾の相手役を引き受けてくださった楽友2人に感謝!

nannerl

コメント

  1. yuko より:

    佐藤さん
    コメント、ありがとうございます。
    「モーツァルトにメロメロ」という文章が印象的なパルランド、あらためて拝読させていただきました。ふつうよくわからないこと、として片づけてしまうフリーメーソンのことについても研究しておられ、一度お会いしたい!と思っていたところでしたので、授業でお目にかかれてとても嬉しいです。
    ロマン派にどうしても人気が偏ってしまうピアノの世界ですが、一緒にモーツァルトももりたてていきましょう!
    今、蓼科に来て森を見ながらベーゼンドルファーを弾いています。昨日は、雪が降るくらいの寒さでしたが、窓の外は、星がとてもきれいです。

  2. 佐藤香織 より:

    久元祐子先生、こんばんは!ピアノリテラチュアの授業の最後にお声をかけさせて頂いた者です!ブログにコメント…とても緊張しています(>_<)でもこうして書き込みをさせて頂けてとても嬉しく思います。授業での生のお話や生の音を聴く事が出来るのは私にとって本当に幸せな事です。増してそれが自分が敬愛している作曲家の話となると、スキップして帰りたくなるほどウキウキしてしまいます!とても為になるお話や、先生が出されるあの丸くて甘くて透明で儚い音で最後まで全部弾いて頂ければな...と残念に思います(;_;) K488の第二楽章はオーケストラが聴こえてきました。私も今挑戦しています。あそこまで美しい旋律が とてつもなく寂しい何かを訴えてきます。