モーツァルト:KV595の演奏解釈

国立音楽大学では、4月から新しく、「鍵盤楽器講義(演奏解釈)」の講座を担当することになりました。
2回目のきょうは、モーツァルトの変ロ長調KV595のピアノ・コンチェルトをとりあげました。
モーツァルト最晩年の名曲で、つい先日の基礎ゼミのコンサートでも、栗田博文先生指揮のクニタチ・フィルハーモニカーの皆様とご一緒させていただいたばかりの曲です。

あまたの名盤が残されていて、30枚以上の名盤の聴き比べをされた愛好家の方もおられます。
自筆譜では、ピアノとオーケストラがあえてずれてしまうように書かれた箇所があり、モーツァルトの特別の意図か、それとも単なる書き間違えか、、、等々、解釈をしていく過程は、パズルを解いていくような、あるいは推理小説を読み解くような面白さがあります。
そのような自筆譜と出版譜の相違点を、実際に弾きながら考えてみました。
また、モーツァルト解釈の上で重要なポイントのひとつとなる装飾法については、フリードリッヒ・グルダの3回の録音のうち、もっとも過激な?!装飾がついた若い頃のもの、そして、装飾をほとんどつけない晩年の盤を比較しながら意見交換しました。

コメント

  1. YUKO より:

    佐藤さんコメントありがとうございます。
    映画の主人公ナンネルとほぼ同世代の佐藤さんの感想は、とても興味深いです。
    モーツァルトを愛するあまり、真実以外のフィクションの部分に抵抗を感じる方もおられるかと思うのですが、そこは「映画」と割り切って、楽しむとまた別の味わいが出てくるかもしれません。
    そして時代の空気を感じる、というのは、再現芸術の上で大きな力になると思います。
    電気のない時代、オイルランプか蝋燭の炎が揺れる中で耳を傾ける音は、現代とはまた違ったかもしれませんね。

  2. 佐藤香織 より:

    おはようございます!先日はコメントにお返事を頂き、大変有難うございました!!昨日、ナンネル・モーツァルトを観てきました。主役のナンネルとルイ15世の末娘役の子が姉妹であり監督の娘だと言う話は置いておきまして。。。とても面白かったです。パンフレットも購入し、熟読させて頂きました!!映画は100%真実というのは難しいかもしれませんが、これから勉強する上での良い資料を手に入れた気がします。新幹線でひとっとびで実家まで数時間の私と、馬車で何日もかけて演奏旅行に出かけていく彼らの時間の流れの違いなどからも、音楽を演奏する上でのヒントを貰いました(^-^)v