続々カワイ講座・「愛の夢」

カワイ表参道パウゼにおきまして、演奏法の講座が始まりました。
一昨年の5回シリーズの講座が終わり、昨年に「さらに続編を」と声をかけていただき、
今年は、三度目の「続々・一歩上を目指すピアノ演奏法」です。
初回の今日は、リストの小品、「愛の夢」とコンソレーションをとりあげました。

リストのイメージを受講生の方にお伺いしますと、
「美しい、けれど、難しい」
というお答え。
たしかにヴィルトオージティを追及し、ピアノの可能性を最大限に表現し得たリストのピアノ曲は、ある意味、オーケストラをしのぐような音世界とスケールを持っており、テクニック的には難曲ぞろいです。
「愛の夢」は、彼の歌曲を自身の手によってピアノに編曲されたものですが、変イ長調でロマンティックに歌い上げます。この調は、ベートーヴェンが女性的なるものへの憧れを表現するときに使った調でもあります。
歌の場合は、声の制約、息の限界というものがありますが、
「私はピアノですべてのことが表現できる」
と豪語したリストにとって、ピアノでの表現は、よりのびやかで、フレーズも長く、一つのドラマとしての完成度も高くなっているように思います。

 

kawai-kmf.com/concert-info/2011/11.10…03…/index.html

音楽的な表現に向けてのアプローチ、タッチの種類や音色、ディナーミクのコントロール、指使い、手首や体の使い方など、いくつかの具体的な提言をまじえて演奏とお話をさせていただきました。
「リサイタルでコンソレーションが素敵だったので、その種明かしを見に来ました」
とおっしゃってくださる方もいらして、演奏に至る解釈や分析などに触れさせていただきました。

夏の蓼科のコンサートでお世話になって以来、久しぶりにお会いした調律のKさん。
来週は、ロシアだそうです。
オーバーホールとまではいかないまでも、かなりの調整が行われたピアノ。
昨年よりさらに弾きやすい状態にありました。調律師さんが、こまめに手を入れておられるピアノというのは、鳴りもよく、楽器店にあるピアノの利点を感じました。

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