4月13日の本番に備えて、今日はサントリーホールでピアノ選びです。
2台あるうちの1台を選びます。
前回サントリーホールで弾かせていただいたときは、8号機を選びました。サントリーホールのメンテナンスをしている調律師さんのおすすめでした。たしかその頃は、8号機の方が人気があったようです。
今回は7号機を選びました。
同じメーカーの楽器で同じように管理されても、不思議にピアノは個性が違うものです。スタッフの方の話では、
使われ出すとさらによく使われ、使われなくなると使われない周期が訪れるのだとか。
おそらく、よく使われる楽器というのは、調整も調律もたびたびおこなわれ、そうやって息が吹きこまれ、気が充実してきて、楽器もよく鳴ってくるのではないかと思われます。
ホールの中には、せっかく一流の調律師さんが調律されるのに、
「中をいじってはいけない!」
というホールの規則をたてに、一切調整をさせてくれない、というようなところもありますが、ナンセンスとしかいいようがありません。
もちろん腕のよくない調律師さんが不用意な調整をして楽器をこわしたりすれば、修復が不可能になるおそれもあります。一度削りすぎたハンマーは、もとに戻りませんし、
「派手な音がほしい」
などというピアニストにつきあって、硬化剤をハンマーにかけてしまっては、あとで弾く人はたまったものではありません。
でも箱入りお嬢様よろしく、人の手に触れさせない、というのでは、生きた楽器の生命は花開かないのです。
88の鍵盤がバランス良く鳴り、特に現代のピアノであれば、完璧な状態で音質をそろえることは可能です。
そのお手入れをお怠っているというのは、素肌の手入れをせずにお化粧をするのと同じ。
見苦しい結果を招きます。
試し弾きをしばらしていると、ピアノがどういう扱いを受けているかを、ピアノ自身が語りだします。
素晴らしい音響のサントリーホールは、楽器の面でも一流の調整が行われており、さすが!と感じました。
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