コンクール審査員

昨日、今日と続けてコンクールの審査員。
昨日は、銀座ヤマハホール で行われた全国大会決勝F級の審査、
そして今日は、みなとみらいホール で行われた、日本演奏家コンクール2次予選です。

この酷暑の中、猛練習をしたであろう参加者のみなさんの熱のこもった演奏。
点数や順番をつけるのではなく、皆に健闘賞を差し上げるようにしたい、という気持ちになってしまうのですが、そこは、やはりコンペティション。
心を鬼にして、採点していかなければならないのがつらいところです。
不思議私が私が1番をつけた人は、結果が1番になり、ほかの審査員のみなさんの評価と同じであることがわかります。

銀座のヤマハは、審査委員長の江口文子先生、花岡千春先生、岡野寿子先生、高橋多佳子先生、三石先生、等、錚々たるメンバー。
上下カットでその平均値で計算されます。
上下カットということで、個性的な評価をされた先生の点数は反映されないことになりますので、平均値、ある意味、皆が聞いて上手、という人が入賞する結果となります。

一方、みなとみらいは、河野元先生の主宰なさるコンクールということで、河野先生の音楽美学が反映される結果となりました。
評点の仕方も、音楽への趣味も、審査の基準も、競技スポーツとは違い、主観が大きく左右する世界。
演奏とは何か、という、それぞれのピアニストの考えが審査の結果にも反映してきます。
当然のことながら、いわゆる「上手に指がまわる」というだけではない何かが問われます。
私は、神秘性を秘めた弱音の魅力、表現の成熟度に着目しながら、自分なりの評点を出しました。
ここで、何かを得て、さらに、ピアノに向かって欲しいと願いながら。

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