須坂バッハの会・10周年記念コンサート

須坂では雪がしんしんと降っていました。
須坂のみなさんは、礒山雅先生の名講義を毎回楽しみにしておられます。「音楽を聴く」という静かで温かな輪が出来上がっており、私たち演奏家は、そのステージに乗せていただいて、音楽を届けさせていただいています。今回も、素敵な一日となりました。

シルキーホールに、私とほぼ同時にチェンバロも到着。
プログラムで、チェンバロの隣に自分の名前があるのは初めてです。
フォルテピアノやクラヴィコードはこれまで数多く弾いてきましたが、チェンバロはこれまでほとんど公開のステージで弾く機会がありませんでした。
フラウトトラヴェルソの塩嶋達美さんのお優しいサポートのもと、チェンバロ・デビューをさせていただき、このような機会を頂戴したことを心から感謝しております。
これまで強弱がつかないチェンバロという楽器をどちらかというと敬遠してきました。けれど、強弱がつかない楽器で行う楽想やニュアンスの変化、和音の鳴らし方などは、新鮮で奥の深い世界です。
それにチェンバロは、バッハのカンタータやミサ、そしてモンテヴェルディの宗教曲などとのアンサンブルには欠かせない楽器です。これからチェンバロ奏者として・・・という可能性はゼロに近いのですが、現代ピアノの表現をする際に、あるいは、バッハを解釈する際には、実際のチェンバロ体験が自分の体内で共鳴していくことでしょう。

共演させていただいた岩森美里先生は、こまやかで優しいお人柄、それでいて豪快でそばにいる人がみな愉快になってしまうムードメーカーでもあられます。容姿と頭の良さを兼ね備えた若手、大武彩子さん、ピュアな声質と長いブレスが魅力の谷口洋介さんとご一緒させていただき、楽しいひとときとなりました。

121209

須坂バッハの会の大峡会長さんをはじめ、お世話になりました皆様に心から感謝申し上げます。

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