祝日公開授業

「体育の日」の今日、秋晴れのキャンパスで、授業公開が行われました。
受験生や先生、ご両親にとって、志望大学で、実際どのような授業が展開され、レッスンが行われているのかを見ることができるのは、とてもよいことではないかと思います。

教授陣は、毎年のことなので、レッスンや授業が公開されることには慣れていますが、入学したばかりの学生にとっては、参観されているという状況が緊張する場面のようです。

「どうしたら緊張しなくなるでしょう?」「あがらなくなる秘訣を教えてください」という質問をよくいただきます。
私も学生時代、先輩達からいろいろなことを伝えられました。
「手のひらに”人”という字を書いて飲み込むといい」というようなおまじない方式から
「お肉を食べると緊張するから魚を食べたほうがいい」という酸性・アルカリ性理論?!
「ひたすら練習や本番の経験を積み重ねていくうちに、自分の体の状態をコントロールできるようになる」という着実派まで様々でした。

指がふるえたり、呼吸が短くなることによって普段の力が発揮できないことは残念なことです。本番で自分の最高の状態を出せるようにする、というのが、消しゴムが使えない分野に生きる者に求められる素質の一つでもあります。

大学のとき、体育の時間に「こんにゃく体操」を教わりました。
自らの「からだの声を聴く」というのがコンセプトで、筋肉の弛緩と緊張状態を自分で作り出せるようにする訓練です。
野口三千三先生の「はい!腕から下、こんにゃく状態!顔もこんにゃく状態~~!」の声とともに、クラス全員でだら~~っとしたり、全員で猫の動きを真似たり・・・という一風変わった授業でした。

今、世界を舞台に活躍している指揮者や演奏家の同級生などもその中に入っていました。肉体を通しての表現を生業とする仕事についたとき、自分の「からだ」をコントロールする能力は絶対不可欠なものですから、若いときにそういう訓練を受けることが出来たのは幸運だったと言えましょう。ときどき、同級生にばったり会うことがありますが、「こんにゃく」経験の話題になり、古びた体育館を懐かしく想い出しています。

コメント