日本スペイン交流400周年記念公演

domingo日本スペイン交流400周年記念公演として、オーチャードホールでプラシド・ドミンゴ コンサートが行われました。

高校生の頃、ピアノの部屋にメトロポリタンオペラのカレンダーを貼っていましたが、一年中「9月のドミンゴ」のまま飾っていたことを想い出します。声楽家にとって体は楽器。大病を克服した後の歌唱が、どれほど大変なものかは、ご本人にしかわからないことですが、歌によって多くの人に生きる勇気を与えてくれるドミンゴです。

東日本大震災後、海外の演奏家が相次いで公演をキャンセルし、自国に帰国してしまう中、ドミンゴが「このようなときこそ、音楽の力で日本の人を勇気づけたい」と震災直後に公演を敢行して、大きな力をくれたことを日本の私たちは忘れていません。

舞台に登場したとたん「ありがとう!ドミンゴ」の感謝の歓声があがりました。日本スペイン交流を記念すべき公演として、そして音楽を通じての交流という面で、ドミンゴは最もふさわしい声楽家と言えましょう。
1部は、ワーグナーとヴェルディ生誕200年記念を祝うプログラム。そして2部がマイ・フェイボリット・セレクションということで、ドミンゴの十八番、お気に入りの歌が披露されました。

マイクが入ったり、歌詞が書かれたテレビカメラが見えたり・・・とクラシックのコンサートとして見ると違和感を感じる面もありましたが、2部のサルスエラなど、スペインの血からあふれ出る音楽性が見事!長年の舞台経験から生まれる「間」の取り方は流石でした。

ご一緒させていただきました映画の山田洋次監督は、「今日は、仕事でとても疲れて会場に入ったけれど、元気になった。ワーグナーはやはり、生で聴くに限る!」とおっしゃっておられました。

写真は、コンサートのお土産。「日本の皆さんへ」というメッセージカードとともにドミンゴサイン付きスカーフでした。

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