カワイコンサート

5月27日、大阪のザ・フェニックスホール於きまして、第2206回カワイコンサートに出演させていただきました。
カワイコンサートは、今年で43年目を迎えます。
これまでの記録を拝見しますと、憧れの先輩や尊敬する師匠のお名前が並んでいて、その末席に加わらせていただき光栄です。

2014-05-27-17-32-51

フェニックスホールは、ステージ正面のトビラが開き、客席から外の風景を見ながら、オープンな雰囲気でお客様に聴いていただくこともできるようになっています。
今回の演奏会では、ショパンとモーツァルトのファンタジーを続けて弾きましたが、モーツァルトの方は、ステージ正面のトビラをオープンにして、大阪の夜景をバックに演奏。
「現代の”ファンタジー”」となりました。
ショパンのファンタジーは、プレイエル・ピアノを使ってショパンが作曲した晩年の名曲です。
英雄の葬送を思わせる荘厳な行進曲で始まり、風が吹き荒れるようなパッサージュ、勇姿を彷彿とさせるような和音連続、悲しみのコラールなど、ファンタジックに展開していきます。
音域は、当然、ショパン時代のプレイエルの音域(C1~a4の6オクターブ半)で出来ていますが、現在出版されている楽譜は、ショパンが作曲した音よりもさらに低い音を使っています。
楽器の音域の限界のためにショパンがあきらめたであろう進行を現代のピアノでは可能である、ということでバスの音を現代用にワイドにしているのです。
ド♭、シ♭などショパンが弾かなかった音まで使うことによって、バスの響きはさらに低くなります。
これまで現代のピアノでの演奏会では「現代のピアノ用に変更された低音」を使って弾いてきました。けれど今回の演奏会ではプレイエル時代に遡って自筆譜の音域、つまりプレイエルの音域に沿って演奏してみました。
ショパンが鍵盤が足りないということで選んだ苦肉の策の音ではあっても、そこにはショパンの思いや考え抜いた上での決断があると思ったからです。
「ピアノの音域が増えたから、音を足して演奏」ということをやめてみました。この曲を長年弾いてきておられる方には、違和感があるかもしれませんが、「ショパンの書いた音」、その原点に立ち返ることにしたのです。

2014-05-27-21-09-34

朝カワイEXが搬入され、演奏会後、あっと言う間に搬出!プロの技とスピードには驚愕です。

2014-05-27-21-25-45

演奏会終了後の打ち上げでは、大阪の夜景をバックに大いに盛り上がり、賑やかに大阪の夜が更けていきました。
おでかけくださいました皆様、お世話になりましたカワイ音楽振興会、カワイ梅田の皆様に厚く御礼申し上げます。

コメント