大和ハウス工業特別公演としてサントリーホールで行われたウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2014 を鑑賞させていただきました。
若き指揮者、グスターボ・ドゥダメル氏が伝統のウィーン・フィルをいかに振るのか、数ヶ月前からとても楽しみにしていた公演です。
プログラムは、リムスキー・コルサコフの「ロシアの復活祭序曲」に始まり、ムソルグスキーの「禿山の一夜」、後半は、コルサコフの「シェラザード」というロシアづくし。できればウィーンものを聴きたかった・・・なんて贅沢を言ってはバチが当たるのですが、ムソルグスキーの大地の底から沸き起こるような土臭さはあまり感じられず、下腹に直にくるようなロシア独特の情念というのとは異なる、とにかく美しく輝かしい音と優雅な流れがサントリーホールの空間に響きました。
「シェラザード」のソロをつとめたコンサートマスター、ダナイローヴァさんの音はひたすら官能的で美しく、この音を聴けただけでも来たかいがある!というくらいの素晴らしさ。コンサートマスターとしてオーケストラを引っ張っていくという雰囲気ではなく、メンバーそれぞれが独奏者としての技量を持っていて、音楽の力で進行していくという印象。ソロが、フラジオから弓を戻すときには、隣でベテラン、キュッヘルさんが支えており、完璧なアンサンブルによって曲線が描かれていきました。
私の席は、ホルン奏者の後ろという面白い席だったため、ウィーン・フィルの見事な管のプロの技を背中から拝見。無駄のない所作と音楽に沿った身体の動きが、心地よく、柔らかな響きに包まれました。指揮のドゥダメル氏の真正面、大暴れの指揮を期待?!していたのですが、予想に反して激することなく明晰かつ沈着冷静。ウィーン・フィルの輪の中にすっと入り、信頼し任せている・・・というように見受けられました。
お隣の小ホール(ブルーローズ)も貸切となり、休憩時間にはシャンパンや軽食、さらに記念品としてシェーンブルン宮殿で行われた夏のコンサートのDVDをいただいたり・・・という至れり尽くせりの演奏会。美しいウィーンの音に、すっかりリフレッシュさせていただいた感謝!の一夜でした。
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