ORF デームス先生追悼番組

この連休、ハイドンの最後のソナタ第52番に取り組みました。今年の秋のリサイタルでは、モーツァルト最後のソナタKV576とともに、演奏する予定です。変ホ長調の堂々とした響きで始まるこのソナタ。目まぐるしく転調し、飛翔し、駆け巡るパッサーシュを弾いていると、還暦を過ぎたハイドンの並外れたエネルギーに圧倒されそうになります。

昨夜、指揮の伊藤翔さんが「オーストリアでデームス先生の演奏がたくさんラジオで流れている」とラインで教えてくださいました。先月4月18日に90歳で天国に旅立たたれたイエルク・デームス氏の追悼特集番組 が、ORF(オーストリア放送協会)で組まれているとの情報です。ORFを日本にいながらにして聴くことができるありがたいネット社会です。(5月10日まで聴くことができるそうです)

早速アクセスしてみました。デームス先生のインタビューのあと、最初に流れてきたのが、ハイドンのソナタ第52番!
ハンマーフリューゲルの演奏です。偶然に驚き、息遣いが伝わる生き生きとした師の演奏を拝聴しました。

昨年の90歳バースデイコンサートで、ベートーヴェンの最後のソナタ作品111はじめ、バッハ、モーツァルト、ドビュッシー、フランクなど驚異的なプログラムを披露してくださった先生。

70歳のバースデイを記念した本には、自然の美しい姿、そこからインスピレーションを得て芸術に向き合う先生のファンタジックな詩と音楽への想いが綴られています。

ウィーン三羽烏の一人と讃えられ、音楽に命を捧げた先生。どうぞ安らかにお休みください。

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