立川市幸町にホールが誕生しました。名前はCHABOHIBA HALLです。
シンボルツリーであるチャボヒバの木が目印のホールです。
新しい建築の中にオーナーの小峰さんのお宅に代々伝わる歴史ある木、岩、水瓶などが配置されることにより温もりのある空間が生まれています。
午後3時からのオープニングコンサート。
それに先立つリハーサルはホールの残響とピアノの残響のバランスを見る時間でもあります。数回にわたる調整により、だんだんとホールに馴染んできたピアノに「今日はよろしくね」と囁きます。
ベーゼンドルファーmodel225のお披露目でもあり、シューベルトやブラームスなどでウィーンの響きをお楽しみ頂きました。
後半は日本のトップテノール福井敬さん登場。お得意のカンツォーネやアリア「誰も寝てはならぬ」など。会場のお客様を感動と興奮の渦に巻き込む福井さんでした。
今回、福井さんが日本歌曲の前に宮沢賢治の詩を暗唱され、続けて私の前奏に繋げました。
それにより「悲しくなったときは」の歌から小節線や音符などの情報が後退し、言葉の向こうの情念が浮かび上がったのです。
これは不思議な体験でした。歌曲の根幹は「言葉」であり「語り」であり「詩」であることを実感した次第。
産声を上げたチャボヒバホールが皆から愛されるホールとして育っていきますよう、願いを込めて演奏させて頂きました。
右から福井敬さん、オーナーの小峰美子さん、永田音響設計の永田穂先生と奥様。
コメント