ウィーン放送交響楽団@サントリーホール

ウィーン放送交響楽団2016年ジャパンツアー最終日。サントリーホールでの演奏会にお伺いしました。今日は、客席からの応援です。曲目はベートーヴェン「レオノーレ」序曲、「交響曲 第7番」、そしてブラームスの「交響曲 第2番」。
ドイツ、ハノーヴァ出身のコルネリウス・マイスターの指揮によるドイツプログラムです。
マイスター(親方)という名の若きマイスターのタクトで、ぐいぐいと前に進んでいく「現代性」を感じました。
ネチネチと後ろ向きに引っ張られるような執着や重苦しさは皆無。軽やかすぎると感じた方もいらしたかもしれませんが、どのようなテンポで進もうと決して破綻しないプロ集団の腕前にあらためて感服しました。
幅広いレパートリーを演奏する中でつけてきた実力と曲への対応能力。ウィーンの伝統を受け継ぐ中で、決して伝統に甘んじることなく、常に新しい挑戦をし続けるエネルギー。ステージからは、力強い波動が伝わってきました。
ヴァイオリンの艶やかな響き、オーボエの美音、チェロの歌心など個々の技術の高さも印象的です。
ウィーンの現代音楽シーンで数々の初演をこなし、活躍してきたウィーン放送交響楽団。
あらゆる曲に対応できる底力を感じました。
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大阪公演では、ベートーヴェン第7番でカーテンコールが3分間鳴りやまなかったとか。
今日の東京公演でも、拍手に応えてアンコールを3曲。
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番、シュトラウス:ピッツィカート・ポルカは、神戸と同じですが、最後に演奏したのは、ミア・ツァベルカ:「有機的分離」
我々の真価は「実は現代曲にある!」との短い強烈なメッセージかもしれません。
イキイキと全員がウェーブしながら思い思いの音を奏で、突然糸が切れたような沈黙。。。有機的結びつきでなく、有機的分離、という、発想の転換が音によって投げかけられました。あっけにとられていた客席からどっと拍手。
現代都市TOKYOでウィーン放響が行った最後の挑戦!で今年のジャパンツアーが終了。
関係者の皆さま、おつかれさまでした!

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