2台ピアノでコンチェルト

5月29日、モーツァルティアン・フェライン第359 回例会(於:セレモアコンサートホール武蔵野)に出演させていただきました。
今回はイェルク・デームス氏の愛弟子の1人、指揮の伊藤翔さんと一緒に2台ピアノでモーツァルト・ピアノ・コンチェルト第27番。レクチャー、対談、演奏の三部構成です。
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一昨日のリハーサルでは、時間をかけて曲の細かい箇所までじっくりと詰め、一緒に音楽を創っていくことが出来、ありがたいひとときでした。
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(練習が終わってヴァルター・モデルのピアノフォルテで楽しむマエストロ)
クライマックスに向かうハーモニーの動き、テーマの再現にかけての変化、繰り返す際の装飾など、大きなドラマの構成とディテールの両方からアプローチ。
たとえばあるハーモニーの響きを緊張と捉えるか、不安と感じるかで表現も変わってきます。緻密なアンサンブルは、異なる個性が、ぶれないで一つの方向に向かうことにありますから、感覚の一致を見るまで一緒に追求する時間を持てることが必須です。と同時に、アンサンブルの醍醐味は、準備や練習のときとはまた異なる脈拍と精神状況の中で生まれる一回勝負の気の交流。
今日の演奏会もモーツァルトを愛する「モーツァルティアン」の皆さんの気が会場に漲り、本番で何かが降りてきました。オーケストラパートは、楽器の弾き分け、全体の響きのバランスなどソロパートを凌ぐ難しさですが、さすがマエストロのピアノはオーケストラのよう!しかもピアノで演奏されると、ある意味オーケストラ以上にハーモニーがはっきりとダイレクトに伝わることを実感。私自身、新しい発見の多い経験となりました。
お世話になりましたモーツァルティアン・フェラインの皆様に御礼申し上げます。
今回は、来月の「神奈川フィル・モーツァルト・ディスカバリー」のプレコンサートとしての企画でした。
是非、横浜でのコンサート(6月14日 神奈川県民ホール15:00開演)のほうにもおでかけくださいませ。
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