ジャンニ・スキッキ

ラトビア音楽協会ガイスマの歌を聴き、ラトビア民謡のメロディーを口ずさみながら東京国際フォーラムへ。
最近、「ロミオトジュリエット」「トリスタンとイゾルデ」と連日どっぷり悲劇に浸ったところでしたが、今日は、うってかわって喜劇鑑賞となりました。
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プッチーニの「ジャンニ・スキッキ」は、「私のお父さん」のアリアが有名ですが、オペラ全体を見たのは今日が初めて。江原啓之さんプロデュースということで、普段のオペラファン層とは少し雰囲気が異なる客席となりました。
50分という短いオペラですから、前半は江原さんのトークコーナー。美輪明宏さんの物まねからスタート。
お金にまつわる話をしながら、携帯電話やお財布の鈴など音が出るものへの注意喚起まで、トークの中ですべてやってしまう「話術の人」でした。
指揮は、河原忠之先生、演出は粟國淳氏。ドラマティックでエンターテイメント精神たっぷりの舞台となりました。静と動、そしてスローモーションの動きを使いながら印象的なラストシーンへ。
ラウレッタに佐藤美枝子さん、可憐な舞台姿と余裕のある歌唱でブラーバの嵐でした。歌を知り尽くした河原先生の指揮に拍手!ツィータの岩森美里先生など演技の達者なベテラン陣で固め、カリカチュア的演出がリアリティをもって迫る楽しい舞台でした。
ジャンニ・スキッキは、声真似で公証人をだます、、、という役どころ。江原さんの美輪明宏の声真似の出だしとぴったり符号して循環形式?!の流れとなりました。
遺産を狙う親族たちの「お金に対する執着心」を逆手にとって、さらにその上を行き、まんまと家と財産を手に入れてしまうジャンニ・スキッキ。最後はスキッキの娘と婚約者に家と財産が転がり込む・・・というハッピーエンドです。プッチーニがクライマックスのために書いた魅惑のメロディー「私のお父さん」は、全体を聴いてますます魅力が輝きました。
けっきょく一番お金持ちになったのは、お金より愛に夢中の若い二人。客席は大いに沸きました。

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