楽器学資料館 さよなら企画

国立音大4号館の耐震改修工事に伴って楽器学資料館が5階から1階に移転。「引っ越し」と一言で言ってもピアノ、オルガンなどの鍵盤楽器、大型打楽器などクレーンを使っての作業は、スタッフの皆様にとって大変なことだったことは想像に難くありません。
10月31日には、これまでの5階展示室の”さよなら企画”として、所蔵楽器のハモンドオルガンを使ったジャズ・ライブが行われました。17時開演の部は79名、19時開演の部は88名の参加で大いに盛り上がり、しんみりとしたお別れではなく、賑やかなイベントとなりました。
出演は国立音大の小曽根真先生(ハモンドオルガン)、池田篤先生(アルトサックス)。そしてドラムは高橋信之助先生。息遣いが伝わる至近距離での演奏は、大学というアカデミズムの枠を超えてスウィングと熱狂のライブハウスの雰囲気に・・・。
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ハモンドオルガンは、1934年にアメリカ・イリノイ州出身のローレンス・ハモンドによって発明された楽器です。なんとも言えない温かみがある音色で、しかもトーンホイールという金属製の歯車によって揺らぎが生じ、それをプリアンプで増幅。レスリースピーカーのドップラー効果によって、さらに独特なサウンドとなり迫ってきます。
演奏の合間に、小曽根先生がハモンドオルガンの魅力を解説。複雑なドローバー(音色を変えるために引き出す棒)の操作をいとも簡単にスピーディーになさる動きに見とれてしまいました。先生にとってハモンドオルガンは子供の頃からの馴染みの楽器。バッハのレッスンでは、ピアノで〇をもらったら次にチェンバロに移って〇をもらい、それができるとハモンドオルガンに。それでOKが出て初めて次の曲に進んだとか。なんと恵まれた幼少時代でしょう!!池田先生の息遣いにピッタリと寄り添いながら変幻自在に小曽根先生のハモンドオルガンが鳴り響きました。
楽器学資料館は今年4月にリニューアルオープン。私も5月には資料館所蔵の歴史的鍵盤楽器を使ってリニューアルオープンコンサートをさせていただいたり、春のオープンキャパスや夏の社会人対象夏季講習などでも資料館を紹介予定です。詳細が決まりましたらHPでもお知らせさせていただきます。新フロアに是非遊びにいらしてください。

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