KV311@新宿

今秋のリサイタル、モーツァルト:ピアノ・ソナタ全曲シリーズvol.4に先駆けてのプレトークを
朝日カルチャーセンター新宿にて行わせていただきました。

2018リサイタルチラシ

今日のテーマは、青春時代にマンハイムで作曲されたニ長調のソナタKV311。
モーツァルトの恋心、青春の輝きとエネルギーが満ち溢れた名曲です。

「フォルテピアノ」という楽器の特徴を生かすべく、フォルテとピアノの対比が効果的に現れ、マンハイムのオーケストラとの出会いからか、シンフォニエッタのような雰囲気を持っています。

この曲を書いた後、パリに行き、KV310イ短調が作曲されますが、この2曲を比べると青春の旅路がいかに大きなドラマに満ちたものだったかがわかります。

希望から絶望へ。光から闇へ。若きモーツァルトの心の揺れがそのまま音符となり迸るように伝わってきます。

KV311の第1楽章は、凝ったつくりになっていて、再現するときに一ひねりも二ひねりもしています。
形式美もバランスも壊すことなく、冒険心、遊び心を発揮できた天才青年モーツァルトの本領発揮!

モーツァルト愛好会の方からの鋭いご質問などもいただき、分析し、掘り下げながら、この曲の魅力を会場の皆様とあらためて共有した90分でした。

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