花嫁のれん

七尾でのレクチャーコンサートの合間に、七尾一本杉通りの「花嫁のれん展」にお伺いさせていただきました。

幕末から始まる能登の風習で、花嫁さんがお輿入れの日に、実家の紋を入れた「のれん」をくぐって花婿さんの家に嫁ぐというものです。お嫁入りしたあと、たんすに眠ったままになっている旧家の「のれん」を「花嫁のれん館」に展示し、あらためて七尾の歴史を紹介しようという催しです。

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一本杉通りの鳥居醤油店の女将さんらが中心となってこの展覧会を企画されたとのこと。お忙しい仕事の中で、街おこし、地域活動、歴史の語り部まで何役もこなされる姿には感服しました。

能登のお嫁さんは、実家の家を出るときには、玄関ではなく、縁側から出発するそうです。これは、「実家との縁を切る」ことを意味し、縁側から出発するのは、結婚のときと、お葬儀でお棺を出すときだけだとか。その家には二度と戻らない覚悟の旅立ち。

そして嫁ぎ先の家の玄関でまず「合わせ水」の儀式です。両家それぞれの水(昔は各家の井戸水)が入った竹の筒から両方の水を一つのカワラケに入れ、花嫁さんが飲み干します。そのあと、その椀はその場で叩き割られるとか。「二度と実家に戻らない」決意を意味します。

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「合わせ水」の儀式を終え、両家の挨拶を終えたのち、「白無垢」にお召し替え。
のれんを隔ててこちら側の部屋が「実家」を表し、のれんの向こうが嫁ぎ先の家を表しており、花婿の家の色に染まります、という花嫁さん。

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その後、花嫁はのれんをくぐり、まずご先祖様のご仏前にお参りをしたのち、結婚式が始まるというものです。きらびやかで重厚で立派な七尾仏壇を前に、美しい花嫁さんが手を合わせる姿が目に浮かびます。

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実家との縁を切ってこんな相当な覚悟でお嫁入りする能登の女性たち!さぞ、皆さんいいお嫁さんになられるのでしょうね。とお聞きすると「そうでもないのよ。私は実家が近いからしょっちゅう帰っているし・・・」と爆笑のお答えが!

加賀友禅の木綿の「花嫁のれん」

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富士と鷹が描かれた珍しい「花婿のれん」。婿養子に入られる男性も同様の儀式をされるとか。

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昨夜は、「虹と海」での懇親会。海が見渡せる素敵な結婚式場が併設されています。嵐の海の前で結婚を誓うのは、前途多難?!な雰囲気になってしまうかもしれませんが、良く晴れた日は最高の二人の船出となりましょう。

七尾出身の辻雅子先生と記念撮影。建築家のご主人とご結婚されておられますが、「80歳を超えた今もラブラブよ!」と先生のおのろけでお開きとなりました。「花嫁のれん」!まいりました。

辻井先生と

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