エイプリルフール

小学生の頃、3月31日の晩は、なかなか寝付けませんでした。
明日のエイプリルフールは、どんなウソをつこう?
パパやママや友達がびっくり仰天してそのあとウソとわかって大笑いできるようなウソを、しかもこれまでについたことのないウソを!
ちっちゃい頭で一所懸命考えた記憶があります。
学校の先生から
「人を傷つけるウソはいけません。あとでみんなで楽しくなるようなウソを考えなければいけません。」
とエイプリルフールの心得まで聞かされました。
最近の小学生はどうなんでしょうか?!

大人になってからも、たまに旧友にエイプリルフールメールを出したりします。
「宝くじに当たって億万長者になっちゃった」
「大食い競争でラーメン28杯食べたの」
「去年休みをとって世界一周の旅に出てきた」
とか、絶対あり得ないウソをつくのに、いとも簡単に信じてしまう友達に、こちらのほうがむしろ唖然としてしまいます。
普段冗談やウソに無縁だから・・・という理由らしいのですが、ラーメンを28杯食べるかもしれない人間と思われるのは心外です。

ある大手の新聞社でも4月1日にエイプリルフールの記事を出して、あとで笑いをとったことがあると聞いたことがあります。

でも最近は、エイプリルフールは下火になっているような気がしてなりません。
普段正直だからこそ1年に1度のウソが面白いわけで、毎日がエイプリルフールのような世の中だと行事が成り立たないのかもしれません。

食品偽装に始まり、ころころ変わる発言や言い訳、陳謝、詐欺事件など。
元祖エイプリルフールのような記事ばかりが目立つ今日この頃。

そういえば、最近の子供は「ウソついたらハリセンボン飲~ます」なんてユビキリをしているのを見たことがありません。
複雑な世の中になってしまい、「ウソも方便」を覚えるほうが先なのかもしれませんが、それでは少々悲しい気がします。

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