「フィガロの結婚」第4幕

一昨日の入学式をもって大学の新学期が始まりました。
今日は、基礎ゼミ「レクチャーコンサート」の一般公開日。
開演時間が早いため前半の「展覧会の絵」には間に合わなかったのですが、
後半のフィガロに間に合いました。

3月末に魔笛を演奏されたばかりのメンバーの先生方も、翌日からすぐに練習に入り、今度は、フィガロ。
国立を代表される先生方にとって、ハードワークの4月です。

ソリストに小鉄和広先生、澤畑恵美先生、黒田博先生、大倉由紀枝先生など錚々たるメンバーの贅沢コンサートでした。
普段、コンサートで共演させていただいたり、キャンパスでお会いしたり、大学のツアーでご一緒させていただいた先生が舞台に出てこられると、ドキドキワクワクしました。

磯山雅先生が、それぞれの役に扮する歌手陣の先生方に、インタビューをされる、という趣向。

「フィガロの結婚」の筋書きは、単純なオペラに比べるとちょっと複雑。
たとえば「手紙のアリア」と言っても携帯メールでやりとりする世代には、ピンとこないことでしょう。
ピンをなくして庭を探すシーンなんて、「は?」って感じがかもしれません。

今回は、新入生、これから大学を目指す高校生なども会場に来ていましたが、
フィガロ、スザンナ、伯爵、伯爵夫人、バジーリオ、ケルビーノの本音トーク?!が入ることで、それぞれの役どころが身近になったことと思います。
「浮気をこらしめてやるんですの!
」なんて台詞が飛び交うステージに、会場爆笑。
「基礎ゼミ」というものものしい行事の中で、こんなに柔らかく、くだけた内容が盛りだくさん、というのも音楽大学ならでは?!かもしれません。

オペラの中で、みなそれぞれお気に入りの場所があると思いますが、
私は、やはり4幕の中では、伯爵の許しを請うアリアです。
このオペラ、何回見ても、このト長調のアリアが出る直前の間で、涙が出てしまいます。
それまでのドタバタから一転。この空白によって色が変わり、清らかな世界が広がります。

春の宵、モーツァルトのメロディとともに、花冷えのキャンパスをあとにしました。

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