東京アカデミーオーケストラ

横浜フィリアホールでの東京アカデミーオーケストラの定期演奏会に伺いました。

指揮者がいないのに、というか、いないからこそ、みなさんの息が合い、互いを感じ、アンサンブルをつきつめていく純度が高い。
それぞれが、内から湧き出る音楽を奏で、数を重ねる中で、互いの息遣いやニュアンスや、それぞれがやりたいことを尊重しながら、高めあっていく。
室内楽で行うそういったアンサンブルの原点を、オーケストラの中において実現させることが出来た稀有なオーケストラといえるでしょう。

生誕200年のメンデルスゾーン「フィンガルの洞窟」に始まり、バッハのシャコンヌで休憩。後半は、メンデルスゾーンの盟友シューマンの交響曲第2番。

シューマンの交響曲第2 番はメンデルスゾーンの指揮により、バッハが活躍したライプツィヒで初演されている。
シューマンによるシャコンヌの編曲はその6 年後のことでした。

バッハの「マタイ受難曲」がメンデルスゾーンによって復活上演されたのは1829 年のこと。
その3 年後に「フィンガルの洞窟」が初演され、併せて演奏会用序曲『夏の夜の夢』も上演。
シャコンヌを巡りバッハの遺伝子がどう受け継がれたか、ロマン派音楽の謎をひもとく鍵の一つ。

なんと知的なプログラム!
熱のこもったリハーサル。
音楽へのひたむきな愛情。そして驚くべきエネルギー。
N響奏者茂木さん曰く「恐るべしアマオケ」という評がピッタリの素晴らしいオーケストラでした。

これまで数々の奏者との共演をされてきているオーケストラで、経験も豊富。
秋には、ご一緒させていただくことが決まっており、楽しみです。TAOの皆さんと一緒にモーツァルトのピアノ・コンチェルトをつくりあげていきたいと思っています。

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