リテラチュア

今日で「ピアノリテラチュア」の中の私が担当させていただいたモーツァルト3回シリーズの講義が終わりました。

第1回目は、「戴冠式」コンチェルト2楽章のスコアの空白の話に始まり、最終回は「魔笛」のパパゲーノのアリアで終わりました。

今年から出席を助手の方が出席カードでまとめてくださったので、「出席をとる」手間も時間も省くことができ、ロスタイムがありませんでした。

皆さん静かに話や演奏に耳を傾けてくれた3回でした。
次々にレッスンの課題やキャンパスの雑事で忙しい彼らの心の中に、どのくらいのことを残すことができたのかわかりませんが、モーツァルトが少しでも身近になったと思ってもらえれば嬉しいです。

最後の曲。ピアノソロで弾いているはずのパパゲーノのアリア。そこに、パパゲーノの笛の音が。「え~?!いったいどこから聞こえたの?」と授業終了後、学生たちに聞かれました。

「きっとモーツァルトが天国から吹いてくれたのよ」
と謎を残して終わりました。

モーツァルトの晩年の曲は、謎かけのような神秘的な世界。
一つ呪文をとなえれば、すっとすべての謎がとけてしまうような不思議な魅力を持っています。

聞こえないはずの音が聞こえたり、聞こえるはずの音が聞こえなかったり、
現実と夢とどちらが本当の世界なのかわからなくなったり。

「神秘的な非日常の世界を表現できる演奏者になる」
ピアノを学ぶ者の究極の目標であると思うのです。

コメント

  1. okusan より:

    ご無沙汰しております、Music Joy M ではいつもおせわになっております。このたびシューベルトのアルペジョーネ・ソナタで有名な、専門楽器 アルペジョーネを復元いたしました。