根津の交差点を言問通りに出て、上野方面に歩き、二本めの路地を左に入ってすぐのところにあります。
八百屋さん、魚屋さん、文房具屋さん、と老舗商店街をウォッチングしたあと、ふらりと立ち寄ってみました。
比較的大きなお店ですが、玄関は、写真にありますように、いかにも、根津の路地裏の老舗という感じで、風格十分です。
カウンターと、テーブルが1階にあり、2階には上ったことはありませんが、ゆったりと宴会ができるようになっているようです。
このお店は、何と言っても、お酒の肴のメニューが豊富なことです。
板前さんの背中の壁にずらっと書かれたメニューは、「さあ、さあ、どれから食べるかい?」と誘惑しているかのようにどれも美味しそうな料理ばかりが並びます。胃袋と懐さえ許せば、「ここからここまでお願い!」と壁を指さして注文したくなってしまうのですが、そうもいかず、胃袋と懐具合に合わせて注文した次第。この前お邪魔したときは、アオリイカのお刺身が最高でした。
カウンターの一角には、沢蟹が動き回っている水槽まであります。ちょっとかわいそうですが、唐揚げには最高です。
名物は、下の写真にある、特大の卵焼き。ボリュームがあるのはもちろんですが、ほかほかとしていて、馥郁たる味わいです。
生もの系は、カウンターの向こうでお兄さんが二人でさばき、揚げ物、焼き物系は奥でお姉さんが作ってくれる、というシステムになっているようですが、この卵焼きには、一言、「参りました!!」。
家に帰って、何度か挑戦してみたのですが、「祐子の卵焼きはほんとうまいぜ」と 仲間うちでは、わりと評判のいい私の卵焼きも、この「ふわり」にはまったくかないません。やっぱりプロにはプロの技があるのでしょう。たかが卵焼き、されど卵焼き。。。何事も奥が深い。。。。!
気取らずに友達と二人でゆっくりつもる話をしようじゃないか、という時にぴったりの店だと思っています。おなかいっぱい、心もいっぱい、しゃべりつくしたね。という気分になって、帰路に就くことができます。ひとり3~4000円くらいあればじゅうぶんです。
(2002.4.25 記)
6月の土曜日の夜、久しぶりにお邪魔しました。
東京文化会館で、ポーランド出身の20世紀の作曲家、タンスマンのリサイタルを聴いた後にお伺いしました。土曜日も遅くまで開いているので安心です。
カウンターの上には、谷中生姜が聳えていました。
そして、名物の卵焼きを注文。9年前の上の写真と比べてみると、お皿が違っているだけで、形、色、そして、手前に添えられた大根おろしもまったく同じです。もちろん、柔らかで幸福感あふれる味わいもまったく同じでした。
鯖の一本鮨で締めました。
雨が独特の風情を醸し出している、根津の裏通りでした。(2011.6.26記)
東京都文京区根津2-18-2
03-3821-2901
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