第6回 西方音楽祭

春の「西方音楽祭」に出演させていただきました。西方音楽館の広いお庭は花が咲き乱れ、童話の中に入り込んだよう。。。

古くは旅館だったという旧家。永田穂先生の音響設計により、音楽館として生まれ変わり、チェンバロの武久源造さんはじめ、古楽器の演奏家もたくさん演奏会をされてきました。今回は、一昨日に続き、クラリネットの武田忠善先生と共演させていただきました。

フランスもの、シューマン、私のピアノ・ソロに加え、木下大輔先生の「晴れた日の記憶~クラリネットとピアノのための~」を演奏。

この曲は、戦争の記憶を刻むために作曲された作品です。木下さんも会場にいらしてくださいました。武田先生の長いブレスを生かしたPPPからfffまでのダイナミックス、ドップラー効果や多彩な音色。作曲家の木下さんが「冒頭から引き込まれてしまった。これまで聴いたことがない熱演!」と仰ってくださいました。

大砲の音をあらわすようなピアノのバス、クラスター奏法の合間に、クラリネット奏する軍隊ラッパや「海ゆかば」の旋律が見え隠れしたり・・・。アイロニーを含んだ曲との解説で、クールに演奏される方も多いそうなのですが、今回は、あえて真っ向から勝負するような演奏として仕上げていきました。

戦争を知らない世代であっても、日常を突如襲った歴史的大災害、パンデミックに際し、私達演奏家の心の中の響きにも、何か大きな変化が起こったように感じています。

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