シューマン:クラリネットとピアノのための幻想小曲集

頬をそよぐ風が心地よい季節。色とりどりの花が美しく咲きだしました。

基礎体力作りを理由に、隙間時間に時折高尾山にでかけ霊気満山から英気を頂いています。
先日、地図に載っていない道を発見。行ってみた先に小さな広場が開けていて驚きました。高尾山の霊域に建立された慰霊顕彰の碑です。

林野事業、林業行政の輝かしい成果の陰に、殉職された方々がおられたことを知り、黙禱を捧げました。

今日は、国立音楽大学学長であり、クラリネット奏者の武田忠善先生の伴奏をさせていただきました(「春を呼ぶコンサート」@セレモアコンサートホール武蔵野)。先生十八番のドビュッシー、カイユザック、ラボーなどのフランスものに加え、シューマンのクラリネットとピアノのための《幻想小曲集》など。徹底した感染予防のため人数をごく少数に絞るコンサートが増えてきました。逆に、親しいお客様からは「最高に贅沢な時間だった」という言葉をいただき、サロンのアットホームな雰囲気が親密な室内楽には最も相応しいように感じています。

シューマンの《幻想小曲集》は、学生時代に楽友、恩地聡子さんの伴奏をして初めて知った曲です。恩地さんも武田先生と同じくジャック・ランスロに師事。武田先生の後輩にあたります。

今回、時を経て、同曲のピアノパートを弾き、39歳のシューマンの幻想、狂おしい悩み、高揚と飛翔が音符からさらに迫ってきました。
この曲は3曲からなりますが、3曲atacca (続けて)で弾く指示が書かれています。憂鬱な嘆きで始まりますが、音楽が進むにつれ、だんだんにテンポが速い曲想となり、最後は輝かしいイ長調のハーモニーで曲が閉じられます。A管クラリネットの音色と魅力を最大限に生かした名曲。

全曲を通じて、3連符で流れるのですが、その3連符が、微風になったり、つむじ風になったり、熱風になったり・・・。変幻自在なシューマン作品の魅力をあらためて実感しました。

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