ロマンス@安曇野

あづみ野コンサートホールの8月コンサートが延期となり、クリスマスイヴに無事開催されました。クリスマス寒波が来て安曇野もすっかり雪景色。
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冬が旬の「安曇野山葵」を買ってから楽屋入り。窓から見える田圃はすっかり雪景色。

夏の暑さの中で弾く予定だったバッハ、ヘンデル、ベートーヴェン、ブラームス、ヨアヒム、シューマン。はからずもしんしんと降り積る雪の中で弾くことになりましたが、ドイツの音楽は、真夏より真冬の方がしっくりくる感じがしました。

永峰高志先生もストラディヴァリウスの名器も絶好調。お集まりくださった皆様と温かい時間を共有させていただきました。
ストラディヴァリウスに使われている木はスプルース。そしてベーゼンドルファー・ピアノもスプルースをふんだんに使っている楽器。最適の相性の楽器だと実感しました。

休憩後にクリスマスソングの一節を使って、ストラディヴァリウス当てクイズ。。。。正解率は半分くらいでした。名手が弾くと、ノーマルな楽器でも良い音がしてしまうので、当たらなかった皆様もがっくりしないでください(笑)。

ブラームスの友人ヨアヒムが所蔵していたストラディヴァリウス”Joachim”(1723年製)は、バッハ、ヘンデルらが活躍した時代に制作された楽器です。まさに時代を超えて弾きつがれる音色。そしてヨアヒムの《ロマンス》をJoahimで聴いていただくという時空を超える旅。

《ロマンス》のCD&LP同時リリースは2年前。直後にパンデミックの波が訪れ、今回、遅ればせながら、安曇野でのお披露目となりました。

時間を置くことで解釈が深まったり、音が熟成したり・・・。シューマンのsfの慟哭、ブラームスの神秘的なpp。同じプログラムなのに、音符は新しい切り口や可能性を教えてくれます。「演奏」に到達点は無いのかもしれません。

演奏会の時間帯、お日様が顔を出し、ブラームス『雨の歌』のコーダのようにキラキラと雪が輝き出しました。

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