西方音楽館にて

音響設計の第一人者 永田穂先生により、蔵がホールに改築され西方音楽館としてスタートしたのが2000年。
「ホールは育つもの」という永田先生のお言葉通り、25年の歳月の中で、音楽の空間として円熟してきたことを感じます。
40人ほどの小さな空間で聴く古楽は、ヨーロッパの貴族の愉しみを彷彿とさせ、都内の大きなホールで聴くより断然よかった!と古楽愛好家の方の満足度が高い音響空間でもあります。

久元祐子 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 全曲演奏会シリーズ 第3回
(西方音楽館友の会第135回コンサート)に出演させていただきました。

西方音楽館館長 中新井紀子さんがFBで
「ベートーヴェンの愛、悲しみ、苦しみ、憎しみ、少しの喜びが、ニューヨークスタインウェイ(1978年製)の多彩な響きの中から、溢れ出て、ホールを満たしていました。
弱音の中にも、軽い音、重い音、明るく輝く音、控えめで柔らかい音、フォルテの中にも、強い音、重厚な音、突き刺すような音等々、実に多彩な音で、音に託された幾重にも重なる複雑な想いが、顕わとなって響き渡っていました。」と書いてくださいました。

今年のベートーヴェン・ツアーは、下記のプログラムです。
ピアノ・ソナタ第2番 イ長調 op.2-2
ピアノ・ソナタ第7番 二長調 op.10-3
ピアノ・ソナタ 第11番 変ロ長調 op.22
ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調 op.26《葬送》

若き日のベートーヴェンの溢れんばかりのエネルギーとアイディア満載のソナタから、
英雄の功績を讃え希望の光へと繋がる《葬送ソナタ》まで。

彫琢の日々、もがきながら一歩一歩進んでいます。

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