澤・蓼沼デュオ&ヘンシェル弦楽四重奏団

セレモアコンサートホール武蔵野でのコンサートを終えて、紀尾井ホールに直行。
澤・蓼沼デュオ&ヘンシェル弦楽四重奏団のコンサートを聞かせていただきました。

1曲目は、ヤナーチェクの弦楽四重奏曲「クロイツェルソナタ」。
初めて聞く曲でしたが、ドラマティックな、まるで演劇を見ているような曲で、舞台に引き込まれました。
第1ヴァイオリンのヘンシェルさんの音の鋭さと奏法がこの曲にぴったりとはまっていて、大きな説得力で迫ります。ベートーヴェンのクロイツェルの第1楽章の第2主題が引用されたこの曲。またスコアと一緒に聞いてみたいと思いました。

2曲めは、ブルッフの弦楽五重奏曲。ヴァイオリン・コンチェルトが有名ですが、室内楽にも作品を残しています。
今日の変ホ長調の五重奏曲は、第2次世界大戦でオリジナル譜が失われてしまい、1980年代にブルッフの義娘の手による総譜コピーが発見されますが、個人蔵となり、未公開だった作品だそうです。
2008年にウィグモアホールで「幻の弦楽四重奏曲、世界初演」が行われ、澤和樹先生が第2ヴィオラを弾かれたそうです。
今日は、その再演。
編成がヴァイオリン2本、ヴィオラ2本、チェロで、四重奏に比べ、豊かな中音域が充実し、編成によってこんなに変わるのだということを実感しました。

後半は、蓼沼恵美子さんとヘンシェル弦楽四重奏団によるシューマンのピアノ五重奏曲。
蓼沼さんのピアノは、几帳面に、しっかりとした枠組みの中に音を嵌め込んでいかれるスタイル。決して弦を邪魔しない、優雅な演奏でした。
温かい拍手に応えてアンコールに短縮バージョンの3楽章が演奏されました。

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