「アレクサンドル・タンスマンを讃えて」

夜7時からは、東京文化会館小ホールの「アレクサンドル・タンスマンを讃えて」という素敵なタイトルのコンサート。
花岡千春先生のリサイタルシリーズです。
アレクサンドル・タンスマン(Alexandre Tansman, 1897 ― 1986)はポーランド出身の作曲家で、主にフランスで活動しました。1933年に来日し、日本の現代音楽界にも大きな影響を与えたとされています。

最初は、チェロとピアノのための作品。カザルスに献げられた「2つの小品」で幕が開きました。チェロは、村井将さん。とても親しみやすい、わかりやすい作品でした。
「4つの小品」、チェロ・ソナタ(1930)が続きます。カンタービレのメロディーが小ホールの高い天井に美しく響きました。
第2部に入り、藤色のドレスを身にまとった美しい小泉恵子先生が登場。
「2つのリート」(1925)、「5つのメロディー」(1927)が歌われます。小泉先生は、見事で、確かな技巧の上に、しなやかな雰囲気が漂い、苦しみ、哀しみ、ユーモア、我侭、官能など様々な色に染まりながら演じ分けられていました。
「8つの日本の歌」(1919)は、日本の「小倉百人一首」からの8編に音楽を付けた作品です。
演奏会の途中で地震があり、しばらく中断しましたが、まったく集中力を途切れさすことのないお二人に感服しました。

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