歴史的名器・お披露目 

サイトウ・キネン・フェスティバルを前に小澤征爾総監督による記者会見が行われました。
今年20回目を迎えるサイトウ・キネン。
「青ひげ公の城」のオペラの練習がスタートしたそうです。本格復帰公演の成功をファンの皆が祈っている、そういう熱気を諏訪で感じました。

午後3時過ぎから日本精機工業のホールで、スタインウェイのお披露目演奏会。
社員の皆さんや諏訪市音楽協会のメンバーの方々、インドネシアエプソン元社長など関係者のみなさんで会場が埋まります。
ウィーンのコンツェルトハウスから諏訪にやってきた歴史的なピアノのお披露目をさせていただきました。

1939年製のハンブルク製スタインウェイ。
ウィーンのコンツェルトハウスで多くの巨匠たちによって第1級の音色を奏でてきた楽器です。
ウィーン一とも言われるピアノ工房ライジンガーによって、修復、調整されてから日本に届きました。

ウィーンからの長旅を終え、松本空港、その後、諏訪に直行の予定でしたが、鍵盤が象牙でつくられていたためにワシントン条約やさまざまな法律上の手続きが大変で、空港で何日も留め置かれてしまったという経緯があります。
ようやくこうして諏訪湖のほとりの美しい会社のホールに安住の地を得て、安堵の気持ちでいっぱいです。

F1レースに出場するマシンのような現代のスタインウェイとはまた一味違う、70年前の響き。
ベースは深く響き、高音はキラキラと星粒のような音を奏でます。
金属的な硬さがなく、温かく柔らかい表現を得意とする楽器。

ウィーンの音楽界で活躍していたピアノ。
これからもさまざまなピアニストの指に触れ、諏訪から音楽を発信してくれることをを確信しています。

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