コンラート・リヒター公開レッスン

国立音大大学院の特別講座2011
コンラート・リヒター先生による歌曲と伴奏の公開レッスンです。
ヴォルフ「メーリケの詩による歌曲」から
「旅路にて」、「一枚の古い絵に」、「隠遁」の3曲を聞くことができました。
数々の名伴奏で知られるリヒター氏。
気さくな笑顔で午後のレッスンに登場です。
ピアニストには、テンポや音色などについてのこまやかな指示。
歌から後奏に引き継がれる瞬間が、0.2秒でも違えば、もう1度やって!と声が飛びます。
先生の中に、確固たる信念とテンポ感がおありなのでしょう。
きっちりと形をつくっていかれるタイプのレッスンでした。
互いに相手の音や声を聴きながらアンサンブルが密接に進行していくリートならではの世界です。
歌い手さんには、息の切り方、フレーズのもっていきかたなど具体的なアドバイス。
二人のアンサンブルがどんどん密になり、音楽に説得力が生まれます。
ファンタジックなピアニッシモになったとき、相棒の歌い手さんも思わず歓喜の声!
このヴォルフの曲は、どんどん変化する難しい曲!
という先生の言葉どおり、指示が仔細な箇所におよび、3曲の予定時間は1曲が終わったところで、とうに過ぎてしまいました。
一番感激したのは、先生の音色。
「光」という言葉のところでの伴奏、「もっと光輝くように!」といって弾いて見せてくださったのですが、
まさに黒い楽器の向こうから本当に光が射してくるような音色になるのです。
体も大柄で、自然で無理のないタッチ。
ドイツ語の歌詞にぴったりと寄り添うピアノの音色とリズム。
まいりました!の1時間でした。

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