「ザルツブルク大聖堂と偉大なる魂」

2月20日(月)、東京上野文化会館で行われた第536会モーツァルト協会の例会に伺いました。
ザルツブルク大聖堂と偉大なる魂」と銘打たれた今日のコンサート。
古楽アンサンブルのリクレアゥイオン・ダルカディアの出演。
いくらモーツァルト好きの集まりといっても、教会ソナタを17曲まとめて聴ける機会はそう多くないでしょう。マニュアックなプログラムにもかかわらず、多くのモーツァルトファンで会場は埋め尽くされていました。
2001年にモンテヴェルディの「鴛鴦」をきっかけに結成されたアンサンブル。「理想郷での楽しみ」という意味でつけられた4人のメンバーの演奏は、まさにのびのびと空に向かって響いていくような美しいハーモニーでした。
音に集中して聴いているとたいてい耳が疲れてくるものですが、不思議にいくら聴いても耳の負担にならないのです。その理由がどこから来るのか、、、と上野からの帰り道、思いながら山手線に乗りました。
ヴァイオリンの女性2人、松永綾子さん、山口幸恵さんの音が溶け合い、それを豊かに支える懸田貴嗣さんのチェロの低音。全体を統率し、リズムとハーモニーとテンポを導くオルガンの渡邊孝さん。
ふつうカルテットになるとリーダー、フォーロワーのような立場が音楽の中でも発揮されることがよくあり、なんだか会社の縮図を見ているような気持ちになることがあるのですが、この4人の音楽を聴いているとそういう主役、脇役的な枠にこだわらず、自然な雰囲気の中にミューズのために弾いています、という姿勢がうかがえます。
自己顕示欲ではなく、かといってストイックなわけでもない、モーツァルトの音楽の持つ自然さ、楽しさが体現された素敵なアンサンブルでした。
もしかしたら4人が住んでおられるヨーロッパの街の雰囲気からくるものかもしれませんし、お人柄なのかもしれません。
チェロの懸田さんとは、7月にヴァルターモデルのピアノフォルテとともに、モーツァルト、ヨハン・クリスティアン・バッハ、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハのトリオでご一緒させていただくことになっています。
今から楽しみにしているところです

コメント

  1. yuko より:

    懸田さん
    コメントありがとうございます。ヨーロッパにいらしたのですね。ご帰国、日本の桜、間に合いましたか?7月こちらこそ楽しみにしています。よろしくお願いいたします!

  2. 懸田 より:

    久元先生
    今日になってこのブログを拝見しました。嬉しい感想をありがとうございます。
    7月にご一緒できるのを楽しみにしております。よろしくお願い致します。