ヘンデル:メサイア@ハミングホール

東大和市民合唱団「第九を歌う会」第22回演奏会がハミングホールで開催されました。

尾崎保夫市長さんはじめ、市民の皆さんらで会場は満員。合唱はマスク着用で感染対策をしながらの公演ですが、盛大な開催の実現に熱気が漲っていました。
指揮は、大塚直哉先生。国立音大に火曜日に出講しておられるので、時々お会いしお話しさせていただいています。演奏活動の他、教育・啓蒙活動にも精力的にご活躍。尊敬する音楽家の一人です。

古楽器のスペシャリスト達によるオーケストラの透明な響きが、ヘンデルの時代にタイムスリップするかのよう。バッハと同じ年に生まれたヘンデルですが、バッハの受難曲などといかに異なる世界を描いたか。聖書を題材に、人々の心理、祈り、救済がドラマとして舞台で展開され、あらためて歴史に残る名曲だと実感しました。

田園の風景、光、嘲笑、苦しみ、ラッパを合図に高らかに歌い上げられる復活のドラマ・・・。それらが音楽とともに、ダイレクトに心に伝わります。人の感情を動かす音楽の力、それを体現し、全体をまとめあげる大塚先生の指揮は見事でした。聴きながら、絶望したり、哀しみに浸ったり、歓びのリズムに体温が高くなったり・・・完全に修辞学の技に嵌って、心動かされたあっという間の3時間。

ソリスト(中山美紀、野間愛、沼田臣矢、池内響の各氏)の心に沁みる歌唱、桐山建志さん率いるアンサンブルの完成度の高さ、毎週この日のために練習を重ねてこられた合唱団の皆さんの熱意が一つになった舞台に心からの拍手を送りました。

(コンサートマスター桐山さん、大塚先生、第2ヴァイオリントップの大西律子さんと)

帰りに、バロックティンパニーを毛布にくるんで後部座席に乗せた井手上建さんの車とすれ違い、思わず「ブラボー!」と叫んで手を振ってしまった私です。

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