ペーター・ヤブロンスキー@王子ホール

先週は母が4カ月の治療・リハビリの入院生活を終え退院。自宅でお祝いしたのですがその翌日に転倒し骨折。救急車で運ばれ再入院となり、たった一日半の自宅での一人暮らしが終わりました。なんでも自分でやりたいタイプの母が、自分一人で出来なくなることが増えていくのは本意でないでしょう。夫と息子に先立たれ、頼りにならない娘を頼るしかないのも不本意極まりないこと。

そんな中、明るく元気づけてくださるケアマネージャーさん、病院のソーシャルワーカー、優しいリハビリ看護師さん、緊急事態に素早く対処してくださる地域包括支援センターの保健師さん達。これまで社会福祉や医療の仕組みに関し無知だったのですが、この3年ほど、すっかりお世話になりどおしの毎日です。そして叔父と叔母、ご近所の方、、親身に助けてくださる皆さまに感謝しかありません。

今日は銀座の王子ホールで開催されたペーター・やブロンスキーのピアノ・リサイタルへ。

シマノフスキに始まり、ショパンのマズルカ、グラジナ・バツェヴィチのピアノ・ソナタ。後半はマルティン・スカフテとドビュッシーの前奏曲を交互に弾いた後、自身が作曲したバラード第1番、ガーシュインのラプソディー・イン・ブルー、というプログラム。好きな曲を好きな順に・・・というバラエティに富んだスタイル。

スウェーデン出身のヤブロンスキー。「ヤブちゃん」と事務所のスタッフさんに呼ばれる気さくな人柄と優しい笑顔。5歳でドラムを始め、9歳でニューヨークのジャズ・フェスティヴァルで演奏。11歳でピアニストとしてソロ・デビュー。恵まれた才能と幸運の中で自然に演奏する姿は好ましく、気負ったり、大上段に構えるところがなく、自然体でピアノに向かいます。内部奏法を含む現代曲でさえ、響きを楽しみ、フュージョン的な心地よさで空間を染めていきました。
そのストレス・フリーな姿勢と音響に包まれているうちに、いつしか疲れが吹き飛び、エネルギーが満ちていくのを感じました。

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