ヴェネツィア音楽院

鐘の音で目が覚めます。
何気なく聴いていると、さすが音楽の街!鐘の音も一定の鳴らし方ではないのです。
最初はフォルテッシモでアレグロ。だんだんとアンダンテになり、最後は、リタルダンド エ ディミニュエンド。そしてピアニッシッシモで消えていきました。
たまたま今朝の当番の方のやり方なのか、毎日そうなのかはわかりませんが、初めて聴く「鐘の音楽?!」でした。

前日、場所を確かめてあった音楽院、ヴェネツィア音楽院 conservatorio di Musica Benedetto Marcello  に行ってみました。

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さすが、セキュリティーの厳しい街。外部者シャットアウトで中には入れません。
工事のおじさんが入ったすきに、すっと入り、事務所の女性に尋ねます。
「予約はないのですが、音楽院を見せていただけませんか?」
「残念ながら、今日は試験中。先生方も忙しいし無理ね。情報誌をあげましょう」と受付の女性。
そこにたまたま通りかかったのが、日本人留学生Tさん。
「僕が案内してあげましょう」と。
ヴェネツィアに来て7年になるTさんは、音楽院の事務の人も顔なじみ。フリーパスで学校中を案内してくださいました。
しかも彼の先生であるピアノ科主任、マッシモ・ソメンツィ先生の部屋に案内してくださり、ソメンツィ先生からいろいろお話を伺うことができました。
なんたる幸運!
以前、ヴェネツィア学の陣内秀信先生が
「イタリアは日本と違って予定や計画を立てないのに、なぜか最後にうまくいく」
と書いておられましたが、まさにそんな成り行きです。

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ソメンツィマッシモ先生は、大の日本贔屓。
「チェロのブルネッロさんと一緒にコンサートで行った札幌は、忘れられない!あ~あの美しい雪景色。そして信じられないほどの美味しい魚の数々!」
と懐かしがっておられました。
そして腕には「座禅」の文字。あまりに日本が好きになって、入れ墨まで彫ってしまったのだとか。

このコンセルヴァトーリオ。もとは貴族の建物だったというだけあって、天井や壁に装飾が施された美しい建物です。でも歴史的ということは、古いということでもあり、校舎のあちこちが改装中でした。
運河の出入り口だったということで、校舎の窓からは運河も街の教会も見ることができました

コメント

  1. nishisan より:

    凄い出会いです。