プレイエルの響き

昨日までの雨が上がり、青い空に白い雲がぽっかりと浮かび、新緑の美しい「母の日」の午後、大岡山にあります 東急ウェリナ大岡山 のエントランスラウンジでコンサートをさせていただきました。
楽器は、プレイエル(1843年製)を使いました。
東急文化村のスタッフのみなさんと打合せをしたのが、ひと月ほど前。そのとき、プレイエルを置く位置を決めてはいたのですが、運び入れてみるまでは、実際の音は想像がつきませんでした。
天井も高いし、材質的にもきっと大丈夫だろう・・・という楽観的予想をたててはいたのですが、思っていた以上に良い音響が、プレイエルの”声”を助けてくれました。

第2響板を持つプレイエルの特徴は、柔らかな音色です。その柔らかさを生かしつつ、それぞれの音がクリアに聴こえることが、コンサートには不可欠です。その楽器の特徴をよく生かすことができなければ、歴史的楽器の良さは、伝わってくれません。
天井の高さ、建物の材質など、楽器との相性があると思うのですが、今日は、それがうまくマッチしたように感じました。もちろんお客様が入られる前の音響の方がよく響くことが当然なのですが、お客様が入られてもさほど変わりませんでした。

窓から緑が目に入りながらの演奏で、初夏の訪れを肌に感じながら、ショパンを弾かせていただきました。
晴れているのに「雨だれ」の前奏曲、昼なのに「夜想曲」、平和な午後に「革命」・・・となってしまいましたが、当時の響きに思いを馳せ、時代の空気に感性を寄せて、しっとりとした静かな雰囲気の中、耳を傾けてくださいました。
お聴きくださいました皆様、そしてお世話になりました東急のみなさま、ありがとうございました。

コメント

  1. yuko より:

    nishisan
    プログラムを決めたときはそんなことまったく考えていなかったんです。
    リハーサルをしていたとき、ひらめきました。

  2. nishisan より:

    選曲の言い訳が可笑しいね。