神戸市室内合奏団 定期演奏会

チャリティーコンサート2013第384回 神戸市室内合奏団定期演奏会が、神戸新聞松方ホールで行われました。際立つ独奏楽器、オーケストラと織りなす対話の妙~バッハ、モーツァルトの巧み、協奏曲の場合~と銘打たれた演奏会です。

岡山潔音楽監督就任後、初めての定期演奏会ということで、岡山先生がソリストとしても活躍される意欲的なプログラム。バッハのオーボエとヴァイオリンのための協奏曲 BWV1060、バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043。モーツァルトはオーボエ協奏曲K314と2つのヴァイオリンのためのコンチェエルトーネK190が演奏されました。

コンセプトの芯がはっきりと通ったプログラム構成と質の高い緻密なアンサンブル。奇をてらったところがない、まさに王道を行く演奏。素晴らしい定期演奏会でした。

神戸市室内合奏団とは、1991年のモーツァルト没後200年記念年に共演させていただいたことがあります。まだボッセ先生が音楽監督になられる前のことでした。そのボッセ音楽監督のもとで培われてきた音楽をさらに発展させていき、合奏団としても飛躍していく、という意気込みがメンバーの皆さんから伝わってきます。

ボッセ先生は、芸大のとき近くで拝見していましたが、今日、受付でボッセ先生の奥様、菅野美智子さんに再会。
久しぶり!!と顔を覚えていてくださり、感激でした。美智子さんには、霧島音楽祭のとき、ウェーバージンケ先生のクラスの通訳としてお世話になったのですが、私は、大学院の頃のことです。顔は今より一回り小さかったかと・・・。

写真左は岡山先生、右は今日のソリスト、オーボエのディートヘルム・ヨナスさんです。2メートルはゆうにあろうかという長身。自由な息づかい、美しい音色、軽やかな神業的テクニックを持ちながら、深みと意志を感じる演奏に、ただただ感嘆!

岡山先生と奥様芳子さんとのデュオも息がぴったりで、モーツァルト、K190の重音が心地良い演奏でした。
終演後、合奏団初めての試みという「懇親会」がロビーで行われ、神戸市室内合奏団のさらなる発展を祈願しながら、楽しい談笑が続きました。

コメント

  1. yuko より:

    けん様
    コメントありがとうございますます。
    素晴らしい演奏会の模様が目に浮かびます。
    これからの神戸市合奏団の発展を祈りたいです。
    また会場でお会い出来ることがあるかもしれませんね。久元祐子

  2. けんフロム神戸 より:

    ブログを拝見してボッセさん&神戸市室内合奏団の演奏を思い出しました。
    ボッセさんが指揮する室内合奏団はまるでヨーロッパの伝統的オーケストラのようで、一つ一つのフレーズがニュアンスに溢れ、豊かに表現されていました。2011年6月神戸文化ホールのメンデルスゾーン「スコットランド」は本当に名演でした。バッハ、メンデルスゾーンと続くヨーロッパ音楽の歴史、伝統を受け継いできたライプツィヒ・ゲヴァントハウス・オケで30年以上コンマスを務めてきたボッセさん。一切奇をてらわない正統的な演奏でありながら、その奏でる音楽の何と若々しく、生き生きと躍動していることか。思わずメンデルスゾーンを見直しました(笑)。
    そして、これだけの音色、ニュアンスを出すためには、その裏側では一体どれだけ厳しい練習、格闘が必要だったのか、とも思いました。でも、そこは長い間、オケのコンマスを務めていたボッセさん。いろんな指揮者を見る中で、「決して独裁者のようにならず、みんなで一つの目標にむかって一緒に音楽を作り上げる」ことで楽団員と厚い信頼関係を築いていました。
    昨今、独裁的なリーダーが目立ちますが、
    …でも…、本当に必要なのは、
    派手さはなくても、歴史と伝統に裏打ちされた確かな知識と教養を持ちながら、なおかつ、みんなと一つの目標に向かって一緒に仕事ができるリーダー、です
    201年11月、ボッセさんが病身を押して指揮した第九の演奏会。杖をついて長い時間をかけて指揮台に行き、椅子に腰を掛けての指揮。身振り手振りも極端に省略された指揮ぶりでしたが、聴こえてくる音楽は紛れもないダイナミックかつ美しいベートーヴェン。それまでの指揮者と楽団員の濃密な練習、歴史があってはじめて可能となる演奏でした。
    演奏が終わって、感極まって泣き出す楽団員、楽団員を優しく微笑みながら何度も何度も称えるボッセさん。感動的な演奏会でした。

  3. yuko より:

    片岡様
    コメントありがとうございます。
    音楽の世界は狭い、とよく言われますが、そのとおりですね。
    ペルルミュテル先生のお弟子さんについていたことがあり、先生のお話をよくお聞きしました。今、日本では、ペルルミュテル先生の書き込みが入ったラヴェルの楽譜が出ていて、とても参考になります。
    コルトーの演奏は、生では聴いたことがありませんが、ぜひ聴いてみたかったです。

  4. 片岡雄治 より:

    以前瀋陽音楽院にコメントした片岡です。
    久元さんは芸大のご出身なのですね。
    ピアノ科のOG馬場和代さんはフライブルグに遊学中、医学で留学していた友人と知り合い今は彼の奥様です。又ご近所に住む犬伏純子さんも芸大のOGで彼女の演奏を聴いてかすかなコルトー訛りを感じますとご本人にお伝えしたところ何と彼女はパリでペルルミュテについて勉強したとか。
    コルトーの孫弟子に当たる訳で大いに驚きました。