クララ・シューマン《3つのロマンス 作品22》

ミント神戸でヴァイオリンの永峰高志先生とのデュオ・リサイタルに出演させていただきました。

ロマン派を代表する作曲家ロベルト・シューマン、その妻であり人気女流ピアニストだったクララ・シューマン、シューマン夫妻の友人でもあったヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒム。
これら3人の《ロマンス》を取り上げ、後半はブラームス《ヴァイオリンソナタ第1番》というプログラム。題して「シューマン、クララ、ヨアヒム 三人の友情とロマンス」。

今回初めて、ロベルト・シューマンの妻、クララ・シューマンの《3つのロマンス》全曲を演奏させていただきました。
夫シューマンから1849年のクリスマスにプレゼントされた《オーボエとピアノのための3つのロマンスop.94》をモデルにしての作品です。
1853年に作曲され、友人のヴァイオリニスト、ヨアヒムとクララによって初演されています。

1819年にライプツィッヒで生まれたクララ。父ヴィ―クからシステマティックな教育を受け、美しい天才女流ピアニストとして人気を博した女性ですが、シューマンとの結婚後は、夫を支える妻、8人の子供の母としての役目もこなし、夫シューマン亡き後、教育者としても活躍したスーパーウーマンです。昨年がちょうど生誕200年。

3曲を続けて弾くと、クララのピアニズムが鍵盤から伝わってきました。繊細なウィーン式アクションのグラーフ・ピアノを弾きながら作られたピアニッシモの美しさと和声の変化、そしてレガート、スタッカート、ポルタメントの微妙なニュアンスの違いや細かな装飾音などが盛り込まれています。

シューマンが46歳の若さで亡くなり、37歳で寡婦となったクララ。ブラームスの献身的な支えの中で77歳まで逞しい人生を歩みました。今度あらためてピアノソロの作品も演奏してみたいと思います。

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