音楽総合力UPワークショップ

今年で6年目となりました音楽総合力ワークショップが、巣鴨のPTNA本部で開催され、第1回を担当させていただきました。

http://www.piano.or.jp/seminar/project/recurrent/2015/

「原典版で弾くモーツァルトのピアノ・ソナタ」ということで、2時間、演奏を交えながらお話しさせていただきました。

九州や東北地方など遠方からのピアノの先生方はじめ、優秀な生徒さんを輩出しておられる熱心な先生方がたくさんお集まりで、受講してくださった先生方の ワークショップ後のレポートもギッシリ!中味の濃いものでした。

コンペなどでモーツァルトが課題曲になるとき、原典版が推奨されることが多いのですが、その「原典版」は、音楽を奏でるための情報すべてが書かれているわけではありません。

音の強さ、指使い、書き込まれていないアーティキュレーションやぺダリングなど、奏者自らの判断にゆだねられ、解釈することが求められている「原典版」を巡って、多くの疑問や不安をもっておられる先生方のニーズに少しでもお応えしたいと思い、せいいっぱいさせていただきました。

終わってから、福田専務理事にいろいろお話をお伺いしましたが、日本モーツァルトコンクールに出場する子供さんの数は、日本バッハコンクール出場の子供さんとは比較にならないほど少ないそうです。

モーツァルトが「子供のコンクール」という現場であまり人気がないのは何故でしょう。そのひとつの理由に、バッハに比べて、モーツァルトには、ピアノを学ぶ子供たちのために・・・という目的で書かれた作品が圧倒的に少ないという理由が考えられます。

息子たちに最高の教材を与え、教育にも熱心だったバッハ。「インヴェンション」の冒頭には、学ぶ心得まで記されています。一方、お父さんレオポルトからパーフェクトな英才教育を受け天才の花を開かせたモーツァルトですが、長じてから、自分が受けたほどには、教育熱心だったとは思えません。

神童は、自分がどうやって上手になったか・・・なんてことを一度も考えずに短い人生を駆け抜けたのかもしれません。

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