ピアノ セミナー@広島

4月22日にPTNA広島中央支部主催の講座(2回講座)、第1回の「モーツァルトとヴァルター・ピアノ」がカワイ広島コンサートサロン”パーチェ”に於いて開催され、お話と演奏をさせていただきました。
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支部長の沢田菊江先生、そして事務局の中津美和さんらとも久しぶりにお会いし、楽しいひとときでした。
広島は、コンペティション参加なども盛んで、国際コンクールで優秀な成績をおさめる生徒さんも多く巣立っておられます。ピアノの先生方のメモの取り方も細かく緻密で、レッスンの工夫などに常日頃から取り組んでおられるのを感じます。
モーツァルト講座終了後、「普段、お忙しくてなかなかお出かけくださらない先生が今日はいらしてくださっています。私達の”ボス”です。」とロビーで沢田先生がご紹介くださったのが、小嶋素子先生。ジュネーブコンクール覇者の萩原麻未さんの先生、ピアノ教育界の大御所として以前からお名前は存じ上げていましたが、お目にかかるのは初めてでした。”ボス”といういかつい呼び方とは裏腹に、小嶋先生は優しい眼差しでにっこりとほほ笑んでおられました。
お弟子さんがピアノコンクールなどで成果をあげるには、厳しい特訓やスパルタレッスンがつきもの。きっと鬼コーチ的な先生だとばかり思っていたのですが、お会いしてみるとその逆。優雅な物腰と静かな佇まいの美しい女性です。そして今もってご自身がイエルク・デームス先生のレッスンを受けられたり、ステップに参加されておられるということには驚きました。教育者として全国的に高い評価を受けながら、なおご自分を演奏の現場に置き、磨き続けておられる姿勢に感服しました。
「理想のボス」と沢田先生が仰るのは、「みんな自由にやりなさい。困ったときだけ言ってくればいい」という姿勢を貫いてくださるからだそうです。世の中には多くの組織があり、組織の数だけその長に立つ方がおられます。そのボスの顔色を窺わなければ物事が進まない、ボスの意向に従わない人は排除される、ボスの許しがなければ音楽会もできない、などという話を聞くこともあります。そんな「自由は許しません」という権威主義がまかり通る組織は、閉塞的になり、表現の自由や会の進歩はありません。
そしてPTNA広島中央支部の発展は、組織として、個人でできない機会を作ったり、互いに協力しあったり、という絆や体制を作ってこられた沢田先生のスケールの大きさと温かいお人柄あってのことだと思いました。
帰りの飛行機まで1時間半の自由時間があり、ひろしま美術館を訪ねました。ちょうど「ボストン美術館 ヴェネツィア展」を開催中。ティツィアーノの祈りの世界、ヴェロネーゼの官能的な色彩に引き込まれました。ひろしま美術館は昭和53年に開館。円形が4部屋に分かれた展示室はとても見やすく、ゆったりと鑑賞することができる美術館でした。
折しも庭のマロニエの花が満開。ピカソの子息クロード・ピカソによって、開館祝いにパリから贈られた木だそうです。揺れるマロニエの可憐な花を愛でつつ、空港行バスに乗り込みました。
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