追悼・小池唯夫さん

毎日新聞社元代表取締役社長の小池唯夫さんの訃報に接し、驚きと悲しみで心がいっぱいになっています。

20年ほど前、毎日新聞社主催の毎日21世紀賞を連続受賞させていただいたのを機に、折に触れてご指導いただいてまいりました。当時、毎日21世紀賞特選の副賞がハワイのJAIMS(日米経営科学研究所)への留学。コンピュータのパワースイッチの場所すらわからなかった私にとって別世界への留学なんて。。。賞金でベーゼンドルファー・ピアノ購入の夢も果たしたので、留学は辞退させていただこうと思っていた私に「貴方は、音楽だけをずっとやってきたのだから、一生に一回は全く違う勉強をしてみなさい。きっと視野が広がり音楽家としても成長すると思うよ。」と背中を押してくださったのが、1997年のこと。

留学の最後にホノルル・シンフォニーにインターンシップで入り、オーケストラ運営、音楽プロデュース論なども学び、JAIMS成績優秀賞を頂いて帰国した際も「やればできる!」と喜んでくださいました。

一緒にお食事させていただきましたときも、政治、国際情勢、スポーツ、文化、歴史、、と広く豊富な話題をユーモアとともに語ってくださり、政治にもスポーツにも疎い私に、噛み砕くように優しく教えてくださいました。

    小池さん

    「趣味は、アウトドアとインドアの両方を持っていたほうがいい。」と仰り、ご自身、ゴルフと書道を楽しんでおられました。「久元さんのCDを寝る前に聞いているよ」と言ってくださった小池さん。演奏会に奥様と一緒にいらしてくださった日のことが昨日のことのように蘇ります。

    プロ野球パ・リーグの会長を務められておられたときには、一流選手のエピソードも交えながら、
    舞台に立つときの心構え、本番で力を出すこと、普段の生活についてなど、いろいろアドバイスをくださいました。

    これまで一度もメールでご連絡させていただいたことがなく、ご丁寧な達筆のお手紙をいただき、拙い字でお返事を出すのが躊躇われたものです。

    お元気になられて、またお会いできる日には、いろいろご報告させていただきたいこともありましたし、演奏もお聴きいただきたいと思っていた矢先、叶わぬうちにお別れの日が来てしまいました。

    11月30日に旅立たれ、報道は1週間後の今日。「報道」を知り尽くしておられた小池さんが、最後、ご家族、ご親族とのお別れを大切にされたことが伝わります。

    小池さんは親しかった方にも一切、入院先の病院をお教えにならなかったとのこと。いつもダンディーでお元気なお姿と優しい笑顔を私たちに残して、天国に旅立たれました。

    koikesan

    ご冥福を心よりお祈りしております。小池さん、本当にありがとう
    ございました。

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