根津の甚八(酒亭)

上野は、学生時代からのなじみ深い場所です。

まじめ学生だった?!私は、根津のほうまで足を伸ばすことがほとんどありませんが、

声楽家の悪友などは、大学より根津の飲み屋にいる時間が長かったような連中もいるほどです。

少し悪さも覚えた卒業うん十年後、私も根津の味わいを知る年頃になりました。

『根津の甚八』は、なかかの有名店ですが、最近、初めてお邪魔しました。

路地を入り、昔ながらの暖簾をくぐり、カウンターと奥の座敷との小さなお店です。

長生きの幸せ猫が出迎えてくれて、見事な毛並みを披露!

きっといいお肴を(いえお魚)を食べているに違いありません。

老舗という格式ばったところがなく、酔っ払いのヘンなおじさんも、理屈っぽいキャリアウーマンも、音楽関係の人も、み~んな受け入れてしまう、度量の大きさというか、古くからある長い歴史の中で生まれた余裕が感じられるお店でした。

肩肘を張って伝統を守るわけでもなく、お客さん獲得のためにパフォーマンスに凝るわけでもなく、ごく自然にあたたかくお商売をし、お客さんに喜んでもらえるサービスをしていく、媚びるでもなく威張るでもない、こういう自然体のお店が残っている下町の良さを感じた一晩でした。

根津の甚八
文京区根津2-26
日曜休

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