秋のチャボヒバ

テノールの福井敬さんと一緒にオープニングコンサートに出演させて頂いて以来、ピアノの様子を見に、時々寄らせて頂くCHABOHIBA HALLです。

搬入後のベーゼンドルファーは、丁寧な温度湿度の管理の元ご機嫌に安定した状態を保ち、利用者の皆さんに愛されていることを確認し、ホッとしています。

音響設計の第一人者、故永田穂先生が、よくおっしゃっておられたのが、「ホールは育つ」というお言葉です。音楽が奏でられ、人が集い、多くの「気」が入ることで、次第に豊かな空間になっていくのだそうです。全国のホール音響設計を手掛けられ、ホールのその後を見守ってこられた中から生まれたご実感かもしれません。

「ホールが使われない日も88鍵をひとつひとつ全て鳴らしてあげるの」と微笑みながらベーゼンドルファーを見つめておられるオーナーの小峰さん。

コロナ禍の中で多くの演奏会がキャンセルとなりましたが、最近は、文化庁助成金を得た若い演奏家達のコンサートや録音、コンクールに提出するための動画撮影など、感染対策のもとに活動が再開されたとのことで、喜ばしい限り。

テレビ番組の収録や、レコーディングなどにも使われ始めました。

先日、チャボヒバ・ホールで録音されたヴォクス・ポエティカのCDを聴かせて頂きました。中世、バロック時代の音楽が持つ典雅な響きと透明感が美しく、奏でる悦び、歌う歓びが伝わる素敵な録音です。

これから多くの音楽家達を見守るであろう、
中庭のシンボルツリー。

誇らしげに秋空に向かって聳え立つチャボヒバの姿を見ながら、お暇しました。

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