霊気満山

昨年6月、高尾山が「日本遺産」に認定されました。
動植物の生命の力に満ちた高尾山を「霊気満山」と崇めてきた古の人々。養蚕、絹産業で栄えた八王子は桑都と呼ばれていたそうです。
伝統と文化を受け継ぐ想いと祈りが通じて、晴れて「日本遺産」となった高尾山です。

演奏会、試験審査など「インドア」の日が続いたので、今日は、少し早起きをして高尾山を登り霊気満山のパワーをいただいてきました。

初心者には初心者の、上級者には上級者の、バラエティに富んだ登山コース(私はもちろん初心者!)があり、薬王院でのお参りの他、サル園、展望台、お休み処、ミュージアムなど、至れり尽くせりの高尾山。今日はお天気もよく、見事な眺望も楽しめました。

いつも新神戸で美味しい駅弁、淡路屋さんの「ひっぱりだこ飯」を買って新幹線に乗り込む私ですが、今日は天然記念物「開運ひっぱり蛸」に遭遇。樹齢およそ450年の大杉で、工事の際伐採しようとした際、一夜にして根が後ろに曲がり、その根っこがたこの足に似ているところから「たこ杉」と名付けれれたとか。「たこ杉」の根性と粘り強さにあやかりたいところです。

知らない人同士も、山ですれ違うときは「こんにちは」と挨拶。ゴミは持ち帰る、自然を大切にする。山の神様の前では、人は優しい気持ちになれるのかもしれません。登山の途中、仲睦まじく歩いておられる70代、80代のご夫婦にたくさん出会いました。きっと若い頃からずっと親しんでこられた山なのでしょう。また一人黙々と静かに歩く哲学者風の「一人登山」の方もいらっしゃいました。

午後、山から降りてピアノに直行。楽譜に向かい、次のコンサートの準備に入りました。いつにも増して張り切って練習ができたのは、「霊気」と山のパワーのおかげだったのかもしれません。考えてみるとピアノは「木」でできており、山から生まれた楽器とも言えましょう。

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