離れて観る

年末恒例のクラス研究発表の集い「ルナの会」も11回目となり、今年もCHABOHIBAホールで行われました。
毎回3年生が幹事となり、ホール予約からプログラム制作、司会まですべてを受け持っています。
普段のんびりほほ笑んでいる感じのYちゃんやRちゃんが、感染対策を守りながら、しっかりてきぱきと会の運営をこなす姿は頼もしく、嬉しい驚きでした。

入学時は、細く華奢なお嬢さんだったのに、ずいぶん小指も強くなったなぁ、と感心したり・・・。

自分が演奏をしなくてもクラスメートの応援に参加する人、本番に向けベストを尽くす頑張り屋さん、連絡無しにドタキャンしてしまう人、、、などそれぞれの人柄が出る機会でもあります。

国立音大のレッスン室は、完璧な遮音装置が施され、窓からは自然の風景が見える素晴らしい環境です。けれど、それでもなお、ホールで少し離れて演奏を聴くと、普段のレッスン時には見えなかったことが見えてきます。そして気付かなかった美点や、直したほうがよい癖など。。。

レッスンでは、指使いからアーティキュレーション、ニュアンスまで、それこそ重箱の隅までチェックするような虫眼鏡的聴き方になってしまうのですが、すこし離れて客席で聴くことは大切だとあらためて思いました。

絵画も離れて見ると近くからは見えなかった全体像が見えたり、山も離れて見て初めてその山の美しさに感動したり・・・ということと同じなのかもしれません。

2021年もあとわずか。今年度は、パンデミックの中でオンラインレッスンを余儀なくされた時期もありましたが、みんなよく頑張ってくれました。
それぞれの個性を伸ばしながら、来年も一緒に音楽に向き合っていきましょう。

冬の寒さの中で、すでに空に向かって春の芽吹きは始まっています。

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