モーツァルトを愛した作曲家、モーツァルトが愛した作曲家@横浜ACC

五月の爽やかな風が頬に優しい午後、横浜へ。モーツァルトが学んだ音楽、そしてモーツァルトを愛した作曲家の作品を取り上げました。

朝日カルチャーセンター横浜教室は、これまで、そして現在も多くの立派な音楽学の先生方がご講義をされており、講師でなく受講生として伺いたい場所なのですが、レクチャーコンサートということで時々伺っています。毎回細やかにご配慮くださるスタッフの方々、そして熱心な音楽愛好家の受講生の皆様が集まる雰囲気は、お話も演奏も自然に流れていく感じです。レクチャーコンサートは一方通行のものでなく、共有する空間の中で一緒に作られるものだとあらためて思いました。

モーツァルト家にあった3冊の楽譜帳「ナンネルの楽譜帳」「ヴォルフガングの楽譜帳」「ロンドンの楽譜帳」を取り上げ、モーツァルト少年が父レオポルトからどのように音楽の基礎を身につけたか、そしていかにして短期間に長足の進歩を遂げ、若干9歳にして旅先ロンドンで自身の楽譜帳まで纏めるに至ったか、その経緯の一部を音でご紹介しました。

ヴァーゲンザイル、ショーベルト、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ、ヨハン・クリスティアン・バッハ、マルティーニ神父、ハイドン等の作品を弾くにつけ、同時代にいかに多くの作曲家が活躍していたかを感じます。その中でモーツァルトの比類の無さはどこから来るのか、、、にアプローチ。

また後半は、ベートーヴェン、ショパン、リスト、グリークなどモーツァルトのピアノ作品を愛し、旋律や装飾法を取り入れたり、編曲を行った作曲家を紹介。来月の「かなフィルフューチャーコンサート」で共演予定のプーランクのピアノ協奏曲についても、演奏を交えながら、その魅力をお伝えしました。

最後に神奈川フィルハーモニー管弦楽団理事の榊原徹さんとの対談コーナー。音楽のバトンがモーツァルトからロマン派の作曲家に受け継がれた例にスポットを当て、榊原さんがチャイコフスキーの組曲《モーツァルティアーナ》についてもお話しくださいました。

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