尊敬する大先輩ピアニスト、安井耕一先生からお声がけいただき、引き継がせて頂いた夏の講習会。講師として、レクチャー、公開レッスン、質疑応答などまるまる2日間、ご参加くださった皆さんと一緒に音楽合宿!大学の恵まれた環境の中で今年も昨年に引き続きベートーヴェンを取り上げました。毎回、受講、聴講ともに定員を超えてしまい、抽選に漏れてしまった方に申し訳なく思っています。
今回、4名の受講生のうち1名が体調不良のため欠席となり、急遽タイムスケジュールを変更。一人当たりのレッスン時間が少し長くなり、じっくり取り組むレッスンになりました。フォルテピアノも使用し、現代のピアノとベートーヴェン時代のフォルテピアノ(復元楽器)を行き来しながら、課題曲に取りくんでいただく中で、「え!こんなに楽に弾ける。」と感激の表情を見せる受講生や、今まで経験したことが無いような弱音や軽やかさを表現できたりして、聴講の皆さんからも驚きの声があがりました。
愛知県、岐阜県、大阪府など遠路ご参加くださる方も含め、卒業生、愛好家、現役学生らが一同にオペラスタジオに参集。
毎年思うのは、国立音大の「和」の精神です。仲間の上達に拍手し、困難を乗り越えて復帰された友人に心からの称賛を送る。この会場に来て初めて、同じ年度、同じ科の卒業生だったことがわかり大いに盛り上がったり、出会いの場、交流の機会になっていることをとても嬉しく思っています。ベートーヴェンのFreund(友)の精神、友和の輪が広がることは、音楽の最も大きな力のひとつではないでしょうか。
普段は、全国、様々な場所で活動されている社会人の皆さん。ピアノの先生をなさっていたり、企業に勤めておられたり、オーケストラ活動をされていたり・・・。
いろいろな状況の中で、「音楽を奏でる喜び」という共通項で集う夏の2日間。
「学生時代、そこはもっと強く、もっとゆっくり!」と言われて「はい!」と試験で頑張っていたけれど、今日来て「なぜそうなるのか」が納得がいって腑に落ちた、というような感想もいただき、この2日間の講習会が少しでもお役に立てたとすれば幸せだと感じました。
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