謹賀新年

初春のお慶びを申し上げます。2025年、佳きお年でありますよう、皆様のご健康、ご多幸をお祈り申し上げます。

1日には、世界で中継されるウィーン・フィル ニューイヤー・コンサートをラジオとテレビで鑑賞。

コンサートのラストの曲が今年生誕200年となるヨハン・シュトラウス2世の「酒・女・歌」で嬉しくなりました。この曲は、これまでコンサートで度々弾いてきた愛奏曲だからです。2019年にオーストリアのファン・デア・ベレン大統領が来日された折にも、大統領をお迎えする際に弾かせていただきました。

今年の「ニューイヤーコンサート」も生中継NHKラジオで解説をされたのが、暮れのブログでもご紹介させていただいた小宮正安先生。先生の解説によりますと「酒・女・歌」は、もともとは男声合唱の曲だったそうで、聖書の言葉、アダムが神様から受け取ったギフト「ワイン、女性、音楽」から来たタイトルだとか。エデンの園(楽園)、人生の幸せを表すこのワルツ、生誕200年にちなんで、今年も折りに触れて弾かせて頂こうと思います。

指揮は、今回ウィーン・フィルニューイヤーコンサート7度目の出演となる巨匠リッカルド・ムーティ。なんと83歳!矍鑠たる姿で会場を沸せていました。小宮先生曰く「2000年出演の時の、はじけるような前進性とは異なる、お互いの歩みを確かめ合うような親密な雰囲気」。

「女性作曲家を取り上げたのではなく、良い作品を取り上げたら作曲が女性だった」という話題の初登場曲、コンスタンツェ・ガイガーの《フェルディナンド・ワルツ》。ピアニストとしても活躍したガイガーがもともとピアノの曲として作曲したものが、ヴォルフガング・デルナーによって編曲されたものでした。ピアノの原曲の楽譜を探してつま弾いてみたいと思いながら耳を傾けた次第。

最後にムーティ氏が母国語のイタリア語で呼びかけたメッセージは「平和・協調・愛を世界に」。平和の使者でありたい、という一貫した音楽家の言葉には重みがありました。

それにしても生放送で絶妙のタイミングで名解説をされる小宮先生に拍手!でした。
台本をチラ見しながらたどたどしく話す司会者さんや、付け焼刃的に上っ面を話すタレントさんと格が違うのは当然ですが、ヨーロッパ文化史の深い知識と当意即妙の会話力が相まって、臨場感を共有できる喜びがリスナーに伝わる時間でした。

小宮先生の「今年が、音楽と愛に満ちた一年でありますよう」のお言葉に共感した次第です。

(ウィーン・フィルニューイヤーコンサートは、NHKラジオ らじる★らじる 聞き逃し配信で1月8日午後9:55まで配信されています)

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